1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670613
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
多田 慎也 岡山大学, 医学部, 助教授 (20135982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金廣 有彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (20243503)
木村 五郎 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90252957)
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Keywords | 気管支喘息 / 抗原特異的T細胞 / 喘息動物モデル / アスカリス抗原 / 気道過敏性 / リンパ球幼若化反応 |
Research Abstract |
気管支喘息における抗原特異的T細胞の役割の解明に向けて、平成6年度に作製した、アスカリス抗原腹腔内感作による喘息モデル動物において、まず末梢血単核球(PBMC)のアスカリス抗原に対するリンパ球幼若化反応を測定し、腹腔内感作群では未感作群に比較して有意に高値を示す事を確認した。次に喘息モデル動物に抗原を10分間吸入させて即時型気道反応を発症させ、その時の発作強度と抗原に対する末梢血リンパ球幼若化反応の関係を検討したが、両者の間に有意な相関は認められなかった。またメサコリン吸入閾値とリンパ球幼若化反応の間にも相関は認められなかった。以上より、抗原感作によってリンパ球幼若化反応が亢進する事は確認されたが、リンパ球幼若化反応と即時型気道反応の発作強度や気道過敏性との間の関係は確認できなかった。遅発型気道反応については、今後検討する予定である。 抗原特異的T細胞クローンについては、アレルギー性喘息の患者からダニおよびカンジダ特異的なクローンを樹立し、そのサイトカイン産生を測定した。T細胞培養上清中のIFN-γとIL-4を測定したところ、Th1様、Th2様のそれぞれのサイトカイン分泌パターンが認められた。一方、アスカリス抗原感作モルモットにおいても、PBMCにリコンビナントヒトIL-2を加えると増殖が認められ、アスカリス抗原で刺激すると増殖するCell lineも認められ、ヒトと同様の方法で抗原特異的T細胞クローンが樹立可能である事が示唆された。今後アスカリス抗原特異的T細胞クローンを体外で増殖させ、再び体内へ戻し、それにより、即時型気道反応、遅発型気道反応がどのような影響を受けるかを観察する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 木村五郎: "難治性喘息Tリンパ球のクローン化とサイトカイン産性能" アレルギー. 44. 283 (1995)
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[Publications] 木村五郎: "喘息の病態と喘息死との関係" アレルギー. 44. 863 (1995)
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[Publications] 金廣有彦: "難治病態とアラキドン酸カスケード-慢性気道炎症との関連" 難治病態とアラキドン酸カスケード. 14-22 (1995)
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[Publications] 木村五郎: "BAL所見からみた喘息発作死のリスクファクターについて" Asthma-an inflammatory disease. 1. 64-66 (1995)
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[Publications] 多田慎也: "リンパ球subsetsの動態" アレルギーの領域. 2. 45-47 (1995)