1994 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌化学療法への末梢血造血幹細胞移植術(PBSCT)応用の基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
06670615
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
清水 英治 徳島大学, 医学部, 講師 (50187449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 安毅 徳島大学, 医学部・付属病院, 助手 (10253197)
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Keywords | 肺癌 / 化学療法 / 造血幹細胞 / 自家移植 |
Research Abstract |
肺癌患者より化学療法後に採取された末梢血造血幹細胞(PBSC)中には増殖可能な癌細胞の存在を二重軟寒天培地にて検討した。2週間の培養では、血液中の肺癌細胞によるコロニーの形成は15例中1例にもみられなかった。また、凍結保存したPBSCは解凍しても、凍結保存前のPBSCと比較し、そのコロニー形成能や細胞表面マーカーの点では著変を認めなかった。特に、凍結前後で単核球の生存率、CD34_+細胞比率、CD33_-/CD34_+細胞比率、IL_-12刺激による各種サイトカインの産生能、CFU_-GM数に著変はみられなかった。これまで、2例の小細癌患者に末梢地造血幹細胞移植(PBSCT)を実施したが、骨髄機能の迅速な回復がみられている。遠隔成績に関してはまだ、評価するのは尚早である。PBSCの造血能についても、コロニー形成試験や表面マーカーによる解析、抗癌剤投与後の骨髄機能の回復を肺癌患者で検討し得た。問題点としては、PBSCの適応となる患者を60歳未満としたので、対象症例が少なく、PBSCの臨床的意義を明らかにするためには、年齢制限を緩めるか、多施設での共同研究が必要であると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shimizu,E.: "RB protein status and clinical correlation from 172 cell lines representing lung cancer,extrapulononary small cell carcinoma,and mesothelioma" Onuogene. 9. 2441-2448 (1994)
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[Publications] 清水英治: "高齢者の肺癌" nanoGIGA. 5. 820-826 (1994)
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[Publications] 清水英治: "癌遺伝子" 内科学書(中山書店). (印刷中). (1995)
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[Publications] 清水英治: "発癌物質" 内科学書(中山書店). (印刷中). (1995)
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[Publications] 清水英治: "肺小細胞癌に対する自家末梢血幹細胞移植術併用大量化学療法の検討-特に高齢患者よりの幹細胞採取条件について-" 日本外科系連合学会誌. (印刷中). (1995)
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[Publications] 篠原明徳: "抗癌剤の副作用と対策" 薬剤の副作用と対策(医薬ジャーナル社). (印刷中). (1995)
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[Publications] 清水英治: "肺癌の予後因子(中山書店)" 小細胞肺癌におけるRB蛋白発現異常と非小細胞癌におけるサイクリン過剰発現(印刷中), (1995)