1994 Fiscal Year Annual Research Report
夏型過敏性肺炎の発症機構に関する研究:BALF CD8+細胞の動態と機能の解析
Project/Area Number |
06670621
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安藤 正幸 熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
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Keywords | 夏型過敏性肺炎 / CD4T細胞 / CD8T細胞 / 接着分子 / サイトカイン / BAL細胞 |
Research Abstract |
夏型過敏性肺炎の発症機構に関する研究:BALF CD8+細胞の動態と機能の解析をする目的において、研究目的に沿って実験を行い以下の点を明らかにした。 1)夏型過敏性肺炎(HP)においてBAL中のCD8腸性T細胞が著増加することより、他疾患とくにサルコイドーシス(サ症)のBAL中T細胞と、その表面抗原性とくに接着分子(LFA-I、ICAM-I)の発現についてフローサイトメトリーを用いて比較したところ、LFA-I分子の発現の強度がHPにおいてはサ症にくらべて有意にそのCD4、CD8T細胞ともに増強しており、またICAM-I抗原陽性細胞もCD4、CD8T細胞ともにサ症より多かった。これらの接着分子の発現がBAL中T細胞の著増の機序に関与していると考えられる。 2)HPのBAL中T細胞のサイトカインの産生能について検討しつつあるが、以前我々が報告したようにHPのBAL中T細胞のIL-2産生能は低下しており、サ症より有意に低下している。また、その他のサイトカインIL-4、IFN-γについても末梢血T細胞またサ症と比較検討しているが、産生の低下傾向を認めている。またサイトカインの産生能と同様に、マイト-ジェンによるBALT細胞の増殖能もHPにおいては、その末梢血T細胞またサ症のBALT細胞より低下傾向がある。詳細については、細胞内シグナル伝達系について検討中である。 3)動物モデルにおいてはCD4T細胞が肺肉芽腫形成に関与し、CD8T細胞は関与しないことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)