1994 Fiscal Year Annual Research Report
家族性並びに孤発性筋萎縮性側索硬化症の分子遺伝学的研究-SODI DNA,mRNA,濃度,活性、並びにアンドロゲンレセプター遺伝子の検討-
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06670654
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中島 健二 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70144673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 栄二 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40237631)
足立 芳樹 鳥取大学, 医学部, 助手 (80243385)
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Keywords | familial amyotrophic lateral sclerosi / superoxide dismutase / multisystem atrophy / amyotrophic lateral sclerosis / genetics / DNA |
Research Abstract |
家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)大家系について検討し、以下の成果を得た。 1.本家系患者SOD1遺伝子異常 患者血液からDNAを抽出してSOD1遺伝子について検討し、SOD1遺伝子エクソン5に2塩基の欠失を認めた。この遺伝子異常はきわめて珍しく、国際的にも権威ある外国雑誌に発表した(Hum Mol Genet)。さらに、以前剖検された症例についても、剖検脳のパラフィンブロックからDNAを抽出して同様なDNA異常を認めた。 なおこれまでに検討した弧発性ALS例ではSOD1遺伝子に異常を認めていない。 2.家系解析 1)遺伝子異常:本家系構成員においてSOD1遺伝子異常について検討し、本遺伝子異常が本疾患と関連するものと考えられた。この成果は、国際的にも権威ある外国雑誌に近々刊行される予定である(Neurology,in press)。 なお、臨床的に健常であるが遺伝子異常を有する者5例を発見し、経過観察を行っている。 2)SOD1活性:赤血球SOD1活性は、患者が正常対照の40%と著明に活性が低下し、遺伝子異常を有するが発病していない者では正常対照の約60〜70%と中等度に低下していた。遺伝子異常を有さない者は正常であった。この結果は、外国雑誌に近々掲載される予定である(Neurology,in press)。 なお、弧発性ALSにおいては、SOD1活性は正常であった。 3.病理解剖:経過観察を行っていた本家系患者が死亡され、病理解剖を行う機会を得た。本症例は発症後11年であり、本疾患としては経過の非常に長い症例であった。神経病理学的には運動神経のみならず広範な変性を示し、多系統の変性を示唆した。本症例は家族性ALSの疾患としての位置づけに関し、貴重な示唆を与えるものと考えられた。これらの所見は近々発表予定である(第36回日本神経病理学会総会、1995年アメリカ神経病理学会総会)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Pramatarova A et al.: "A two basepair deletion in the SOD 1 gene causes familial amyotrophic lateral sclerosis." Human Mol Genet. 3. 2061-2062 (1994)
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[Publications] Nakashima K et al.: "Abnormality of Cu/Zn superoxide dismutase(SOD1)activity in Japanese familial amyotrophic lateral sclerosis with two base deletion in SOD1 gene." Neurology. (in press). (1995)
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[Publications] Nakashima K et al.: "Epidemiological and genetic studies of Huntington's disease in the San-in area of Japan." Neuroepidemiology. (in press). (1995)
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[Publications] Shimoda M et al.: "Electrically induced blink reflex and clinical blinking ability in patients with amyotrophic lateral sclerosis." Acta Neurol Scand. (in press). (1995)
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[Publications] Nitta T et al.: "DNA deletions in dystrophin gene and clinical phenotype of Duchenne muscular dystrophy in the San-in area,Japan." Yonago Acta Med. 38. 43-48 (1995)
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[Publications] 下田学 ほか: "筋萎縮性側索硬化症における瞬目運動と瞬目反射" 臨床脳波. 36. 274-276 (1994)