1995 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドーシスにおけるアミロイド沈着機構の解明:家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP)における臨床的、病理学的、生化学的研究
Project/Area Number |
06670660
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安東 由喜雄 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (20253742)
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Keywords | FAP / アミロイドーシス / トランスサイレチン / 肝移植 / リポ蛋白 / LDL / 遺伝子変異 / ポリニューロパシー |
Research Abstract |
今年度の我々の研究から、FAP患者循環血液中の異型トランスサイレチン蛋白の一部がリポ蛋白(HDL,LDL)と結合し血中を循環していることが明かにされた。そこで、このリポ蛋白結合型トランスサイレチン(異型トランスサイレチン)の定量を試みたところ、血中の0.3%の異型トランスサイレチンのみの存在(正常トランスサイレチンは同定されず)が証明された。本現象は、Swedenから供与された高齢発症患者の及びItalyから送られたMet30以外に変異を持つFAP患者でも確認された(Gln89,Pro36,及びThr34)。さらに遺伝子を組み込んだ大腸菌より抽出した正常及び異常のトランスサイレチンと抽出LDLとのSephacryl s-200カラムを用いた結合実験では明らかに異型の正常及び異常のトランスサイレチンのLDLに対するaffinityが増加していた。 FAP患者5名においてSweden Huddinge病院及びAustralia Brisbane Princess Alexandra病院にて脳死肝移植が施行された。経過は移植後5カ月から2年たった現在、いずれも順調で、昨年我々が報告した如く、本治療によりとりわけ自律神経障害改善効果が認められることが再確認された。 今回購入した低温恒温水槽機により既知(Met30)及び未知のmutationをもつFAP患者をPCR-SSCP法によりスクリーニングすることに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 安東 由喜雄: "家族性アミロイドーシス患者の自律神経障害" 末梢神経. 5. 15-21 (1995)
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[Publications] 堂坂 朗弘: "家族性アミロイドポリニューロパシー患者における人工肛門の有用性" リハビリテーション医学. 32. 193-195 (1995)
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[Publications] 安東 えい子: "家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP)Type Iの眼症状の出現頻度と長期経過" 眼紀.
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[Publications] 大林 光念: "心交感神経機能としてのMIBG心筋シンチの有用性" 自律神経.
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[Publications] Ando,Y: "Radiolabelled meta-iodobezylguanidine in assessment of autonomic dyofunctio" Amyloid. 2. 183-187 (1995)
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[Publications] Ando,Y: "Change in voriant transflyretin levels in patients with familial amyloidotic polyneuro pothy type I following lwer transplantation" Biochem.Biophys.Res.Commun.211. 354-358 (1995)