1994 Fiscal Year Annual Research Report
運動準備電位の研究-運動想起、運動麻痺における検討
Project/Area Number |
06670669
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
清水 夏繪 帝京大学, 医学部, 教授 (80095017)
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Keywords | 運動準備電位 / 運動想起 / imaginary movement / 随意運動 / 脳皮質電位 |
Research Abstract |
1.指の随意運動に先行する緩徐な陰性電位(Readiness Potential,RP)が実際の運動を伴わない、運動の想起によっても出現するかを9名の正常人で検討した。そのために、(1)随意的に指を曲げたとき、(2)音を合図に指を曲げたとき、(3)音を合図に運動を想起したとき、(4)音を聞くだけのときの脳波を筋電図または音の開始点をトリガーに、平均加算し比較した。その結果、RPの頭皮上の分布、開始点、最大振幅は運動想起の際も随意運動とほぼ同様であり、Cz、指と対側の中心・頭頂部で大きな振幅で出現した。 2.脳梗塞または脳出血で一側の大脳の一ヶ所に障害を来し、片麻痺となった患者のRPを検討した。指が動かないときは音を合図に動かす努力をさせ、音の開始点をトリガーに脳波を加算平均した。その結果、RPの出現様式は症例により種々で、麻痺指を動かすときに正常指を動かすときよりも対側の頭皮上でRPの振幅が大きくなる例、対側よりも同側の頭皮上でRPの振幅がより大きくなる例などが見られた。解析した症例数はまだ少ないが、症例により運動の戦略が異なること、対側、同側の大脳が活性化されることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 地引 利昭,清水 夏繪,寺嶋 周,結城 伸泰: "抗GQlb抗体を認めたGuillain-Barre症候群-Fisher症候群とGuillain-Barre症候群の連続性について" 臨床神経学. 34. 381-384 (1994)
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[Publications] 池内 健 他20名: "歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)におけるCAGリピートの増大と臨床像の関連についての分子遺伝学的解析" 厚生省特定疾患運動失調症調査研究班 平成5年度研究報告書. 66-70 (1994)
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[Publications] 清水 夏繪: "パ-キソン病の治療、未治療患者の治療の進め方とL-Dopa治療に伴う諸問題の対策" 治療. 76. 1225-1230 (1994)
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[Publications] 清水 夏繪(分担執筆): "今日の神経疾患治療指針(亀山 正邦.高倉 公明 総編集)" 医学書院, 988 (1994)
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[Publications] 清水 夏繪(分担執筆): "メディコピア29 神経治療学の進歩" 富士レビオ, 326 (1994)