1994 Fiscal Year Annual Research Report
Caチャンネルを有する各種培養神経細胞に対するALS血清IgGの細胞傷害性
Project/Area Number |
06670676
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
木村 文治 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90204990)
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Keywords | ALS / Apoptosis / PC12 / IMR-32 / VSC4.1 / Calbindin D-28K / VGCC / autoimmuhe |
Research Abstract |
本研究の主旨は“弧発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)の成因がカルシウム チャネル(VGCC)に対する抗体を契機としてCa^<2+>細胞内情報伝達系を介した炎症反応を伴なわない能動的神経細胞死“apoptosis"をきたす"というhypothesisに基づいて行われたものである。 我々はALS血清IgGがPC12神経細胞系においてVGCCの関与する樹状突起形成能の変化の有無について検討を行った。基礎実験としてPC12培養細胞にL型VGCC blockerであるNifedipine(lug/ml)を投与する事によりNGF(50ng/ml)、KCl(30mM)誘導有突起細胞形成能に対する抑制効果を検討した。その結果、L型VGCC blocker(nifedipine)による抑制率はKCl添加群72%,NGF添加群15%で、KCl脱分極剤により誘導される突起形成の多くがL型VGCCに関与することが確認された。上記刺激下におけるALS患者4名、遺伝子異常が確認されたKennedy型SMA3名、正常者3名から得られた血清IgG(1mg/ml)添加による影響を検討したが、いずれにも変化は認められなかった。その原因として、PC12細胞がTH活性を有し交感神経系へと分化することが知られ、ALSIgGが交感神経系L型VGCCには変化をきたさない事を示す結果と解釈された。同様に、N型VGCCを有するIMR-32とALSIgGの免疫沈降法での検討を行ったが有意な結果は得られなかった。Smithらは、ALSIgGが脊髄前角運動神経-神経芽腫ハイブリドーマ細胞株(VSC4.1)に対してN型P型VGCCを介した細胞内へのCa^<2+>流入による細胞障害性を示すことを報告した。また、cAMP分化誘導したVSC4.1にALSIgGを添加することによりDNA fragmentationを見い出すことを認め、ALSIgGが“apoptosis"を誘導することを報告した。sALSに見られる運動神経選択性について報告された。細胞内Ca^<2+>濃度を調節する因子CalbindinD-28K(CD28)がヒト前角細胞に少なく、交感神経系・動眼神経核・Onuf核などALSでは障害されない神経系では量的に多くCD28が存在するという事実である。即ち、CD28は特定の神経細胞でCa緩衝能力(Ca^<2+> buffering capacity)の一つとして働き、その少ない組織では細胞内遊離Ca^<2+>濃度が上昇し細胞脆弱性を増す結果、細胞障害性を発揮する可能性が考えられる。今後は、Appelの研究室からVSC4.1を入手予定であり上記の検討を本邦ALSにて行う予定である。
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[Publications] F.Kimura: "Amyotrophic laterul Sclerosis patiaut antibsdies label Ca^<2+> chaxnld,sufcir" Ann Neurol. 35. 164-171 (1994)
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[Publications] 木村文治: "神経細胞死における“Apoptosis"の可能性について" 診断と治療. 83. 127-136 (1995)
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[Publications] F.Kimura: "The lngitudinul study of sesrem adcsfartilxdies a piust carpylihactes jejddri and GM, gaugliosides is Guillaes Dune syndrome" Intorn Med.(in print). (1995)