1995 Fiscal Year Annual Research Report
循環調節における肺循環のparacrine作用とその役割-特に冠・腎・脳循環への影響-
Project/Area Number |
06670685
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
山下 裕久 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (80041838)
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Keywords | pulmonary circulation / coronary flow / vasoactive substance / paracrine / hemodynamics |
Research Abstract |
平成7年度においては、以下について検討した。 a) 肺循環系における血管作動性物質の作用と代謝およびparacrine様物質の産生 麻酔イヌの摘出肺葉を定流量拍動灌流装置に装着.各種血管作動性物質の肺血管に対する作用と代謝,薬物投与により生じる灌流液中の生理活性物質の変動を検索した.Isoproterenol (I) ,Pindolol (Pd) ,Propranolol (Pp) ,Prazocin (Pc) ,Serotonin (5HT) ,PGF2a,Angiotensin II (AT2)を試み、IとPdの血管拡張作用,5HT,PGF2a,AT2の肺血管収縮作用,5HT,PGF2aの肺内代謝を確認した.Paracrine様物質の検索ではIでcAMPが増加し,PdでPGE2が増加,PpではcAMPの減少を確認した. b) 血管作動性薬物の肺循環を介する他臓器paracrine作用の検討 肺循環に対する薬物投与の体循環系、特に冠動脈へのparacrine作用の有無を,麻酔イヌの血行動態と冠血流変化から観察した.当該薬物が肺内で代謝されることが望ましいと考えたため,肺内代謝率の良い5HTの静脈内・左心室・大動脈内投与を比較した.5HTの肺循環での代謝は確認できたが,静脈内投与と左心系内投与とに有意な差は検出できなかった.肺循環の他臓器に対するparacrine作用については,局在作用と他臓器関連作用のさらなる分離検討が必要と考えられた. c) 肺循環障害性急性循環不全の薬物治療とその作用機作についての検討 肺循環障害による循環不全の治療について,血管作動性薬物の関連から,血行動態,左右心室機能,冠循環を含めて検討した.イヌ肺塞栓肺高血圧ショックモデルに対し,肺血管拡張作用を有する強心薬のIsoproterenol投与では,一過性の血行動態の改善ののち動物は死亡し,血管収縮性のNorepinephrine投与では血行動態は持続的に改善した.冠循環と左室機能の改善を後者で確認した.薬物の単離された薬効に加え,複合的効果と心肺相互関連を含めた検討の重要性が示唆された.
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