1995 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血/再灌流時のCa過負荷におけるNa/Ca交換及びNa/H交換の役割
Project/Area Number |
06670705
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
林 秀晴 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (50135258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50252177)
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Keywords | 心筋虚血 / 代謝阻害 / カルシウム過負荷 / 細胞内カルシウム濃度 / 細胞内ナトリウム濃度 / 細胞内pH / Na / Ca交換 / 細胞拘縮 |
Research Abstract |
モルモットの心室筋細胞にSBF1/AM(5μM)とfluo-3/AM(10μM)を30分間負荷して[Na^+]iと[Ca^<2+>]iを同時に測定した。無グルコースでCCCP(5μM)とamytal(3.3mM)による代謝阻害時には、[Na^+]iはコントロールの6.2±0.5mM(平均±SE、n=31)から50分後には29.9±3.3mM(p<0.01)に上昇し、[Ca^<2+>]iは50分後にはのコントロールの167±14%に上昇して27個(89%)の細胞が拘縮した。灌流中のグルコース濃度を10mMに変化させて代謝阻害をすると[Na^+]iは14.5±1.7mM(p<0.01vs無グルコース)に上昇し、[Ca^<2+>]iは113±7%(p<0.01vs無グルコース)に上昇し、28個の細胞中93%(p<0.05vs無グルコース)が拘縮したのみであった。グルコースにより[Na^+]iと[Ca^<2+>]iの上昇および拘縮が有意に低下したことより、細胞内イオン濃度の変化とそれに伴う細胞障害が細胞内エネルギー代謝により制御されていることが示された。次に、代謝阻害中の細胞内pH(pHi)をBCECF/AM(0.5μM)により測定した。pHiは、コントロールの7.23±0.07より代謝阻害20分後に6.95±0.09(p<0.01)に低下した。平成6年の研究から、代謝阻害時の[Ca^<2+>]i上昇はNa^+/Ca^<2+>交換によるが、その活性は抑制されていることが示されている。以上より、代謝阻害時にNa^+/Ca^<2+>交換が抑制されている機序として、細胞内ATPの枯渇および細胞アシドーシスの関与が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 林秀晴: "単一細胞における細胞内イオン濃度測定の実際" 日本生理学雑誌. 57. 441-450 (1995)
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[Publications] 林秀晴: "蛍光色素法による複数の単離心筋細胞内イオン濃度の同時測定" 呼吸と循環. 43. 159-164 (1995)
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[Publications] Hayashi Hideharu: "Regulation of intracellular Na^+ and Ca^<2+> concentrations during metabolic inhibition in guineapig myocytes. Inrolvement of Na^+/H exchange and Na^+/Ca^<2+> exchange" Heart Vessels. Suppl. 9. 171-173 (1995)
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[Publications] 寺田肇: "単離心筋細胞におけるCa^<2+> transientと細胞収縮の同時測定" 呼吸と循環. 43. 999-1004 (1995)
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[Publications] Terada Hajime: "Simultaneous measurement of [Na^+]i and Ca^<2+> transients using sodium binding benzofuran isophthalate and fluo^<-3>" Heart Vessels. Suppl. 9. 174-177 (1995)
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[Publications] Satoh Hiroshi: "Na^+/H^+ and Na^+/Ca^<2+> exchange in regulation of [Na^+]i and [Ca^<2+>]i duringmetabolic inhibition" American Journal of Physiology. 268. H1239-H1248 (1995)