1994 Fiscal Year Annual Research Report
冠循環の代謝性血流調節機構におけるATP感受性ポタシウムチャンネルの役割
Project/Area Number |
06670725
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江頭 健輔 九州大学, 医学部, 講師 (60260379)
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Keywords | 冠循環 / ポタシウム チャンネル / 心筋代謝 |
Research Abstract |
【研究目的】 心臓では酸素消費量の変化に対応して必要十分な血流量が供給されることが心臓能の維持に不可欠である。このため、冠循環には運動や心拍数増加により心筋酸素消費量が増加すると、その増加に見合うだけ冠血流量を増加させる調節機構が内在している。しかし、これらの冠循環調節の機序は未だ不明である。本研究では、冠循環の血流調節機構におけるATP-sensitive K^+channels(K_<ATP>チャンネル)の役割を明らかにすることを目的とした。 【研究成果】 (1)交感神経β受容体刺激よる冠血管拡張におけるK_<ATP>チャンネルの役割. 非選択的B刺激薬isoproterenol(ISO)による冠血管拡張はglibenclamide5μg/min・kgにより抑制された。しかし、β遮断薬後のISOによる拡張はglibenclamideにより変化しなかった。選択的βI刺激薬denopamineによる冠血管拡張はglibenclamideによりほとんど消失した。これらの成績から、心筋β1受容体刺激による心筋酸素消費量増加に伴う代謝性冠血管拡張はK_<ATP>チャンネルを介することが推測された(Am J Physiol 1994)。 (2)頻拍ペーシングによる代謝性冠拡張におけるK ATPチャンネルの役割. 心房ペーシングによる頻拍に伴う冠拡張はglibenclamide 1.5,5.0μg/min・kgにより用量依存性に抑制された。Nitroglycerineによる冠拡張はglibenclamideでは抑制されなかった。このことは、ペーシングによる冠拡張もK ATPチャンネルを介することが示唆された(Circulation投稿中)。
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