1994 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼC活性化による心臓ペースメーカー細胞電気的活動の調節
Project/Area Number |
06670738
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
羽渕 義純 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30175541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀央 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60236619)
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Keywords | 洞結節 / 心臓・自動能 / アンギオテンシンII / Ca^<2+>電流 / 活動電位 / プロキインキナーゼC / cAMP |
Research Abstract |
本研究ではプロテインキナーゼC(PKC)活性剤であるphorbol ester(TPA)と、強いPKC活性化をもたらす内因性ペプタイドであるangiotensin ll(A-ll)の電気生理効果を心臓ペースメーカー細胞において検討した。ペースメーカー細胞はウサギ洞結節より酵素的に単離し、パッチクランプ法により自動興奮性活動電位とCa電流(l_<Ca>)を測定した。TPAは30nMの濃度で活動電位に有為な変化を生じさせなかった。しかしながら、nystain法を用いた実験において、TPAは6細胞中3細胞のl_<Ca>を5-10%とわずかながらではあるが増加させた。この変化には、5-15分のTPA灌流時間を要し、活動電位実験の結果には反映されなかったものとかんがえられる。一方、A-llは活動電位自動興奮頻度を約20%減少させた。この変化には、活動電位振幅と拡張期電位の減少を伴った。これらの所見に一致して、A-llは電圧固定でのl_<Ca>と遅延整流K電流を抑制した。A-llのl_<Ca>抑制は3.7nMのKdで生じ、従来のreceptor assyaで報告されている値とよく一致する。A-llは30nM以上の濃度で約30%のl_<Ca>を減少させ、この作用は生理的に有意なものと考えられた。この抑制はAT1レセプター拮抗剤C11974により消失した。A-llの効果は、細胞をdb-cAMPで充填すると消失したが、PKCの抑制剤calphostin Cを処置した細胞では不変であった。TPAを前処置した細胞でA-llの効果は明らかに減弱した。 以上より、PKCは心臓ペースメーカー細胞のl_<Ca>を変化させないか、わずかに増加させる弱い効果を示すのみであった。それに対しA-llは明らかな陰性変時作用を示し、この反応はPKCよりもcAMPを介しているようである。 PKCはA-ll作用のdesensitizationに関与している可能性がある。
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[Publications] Yoshizumi Habuchi et al.: "Angio tension II inhibition of L-type Ca^<2+>current in sineatrial node cells of rabbits" American Journal of Physiology. 268(in press). (1995)
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[Publications] Yoshizumi Habuchi et al.: "Does depamine act on myocordial cells?" Hypertension Research.18(in press). (1995)
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[Publications] Yoshizumi Habuchi et al.: "Comparison of the hyperpolarization-activoted and delayed rectifier currnets in rabbit atriorentricular and sinoatrial node" Heart and Vessels. (in press). (1995)