1996 Fiscal Year Annual Research Report
心筋組織内でのサイトカインによる局所急性期反応の解析
Project/Area Number |
06670748
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
長江 安洋 日本医科大学, 医学部, 助手 (10189102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 喜文 日本医科大学, 医学部, 助手 (00180175)
清野 精彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (10163073)
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Keywords | ヘモベキシン / インターロイキン6 / 心筋細胞 / 局所急性期反応 |
Research Abstract |
ヘモベキシン遺伝子は直接刺激ではなくサイトカインにより発現誘導され,心筋組織局所における急性期反応蛋白質として生体防御反応を形成している可能性を明らかとした.本年度は心筋内におけるヘモベキシンのInterleukin-6応答性に注目し,転写調節機構解析を行った.同遺伝子のプロモーター領域を有する様々なCAT construct作製し,心筋初代培養細胞へ導入しCAT assayを行った.また低酸素負荷刺激により心筋細胞内では内因性のインターロイキン6が誘導されることが明らかとされているが,この内因性インターロイキン6に対するプロモーターの反応を検討した. 1)心筋細胞内でもヘモベキシン遺伝子のプロモーター活性が認められた. 2)ヘモベキシン遺伝子は低酸素刺激負荷,非負荷ともに同程度の転写活性を示した.即ち,心筋細胞内におけるヘモベキシン遺伝子の発現調節には内因性インターロイキン6に加え外因性インターロイキン6が必要と考えられた. 近年,cardiotrophin Iというサイトカインが発見され,極めて強力な心筋細胞肥大作用を示すことが明らかとされた.本サイトカインの受容体はinterleukin-6受容体と一部構造を共有しており遺伝子ファミリーを構成している.この事実はinterleukin-6を含んだ一群のサイトカイン・ファミリーが生体防御反応だけでなく心筋細胞の成長・分化にも深く関わっている事を示唆しており,本研究をさらに発展させる必要がある.
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