1994 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞増殖因子(bFGF)を用いた血管新生による心筋梗塞治療法の実験的研究
Project/Area Number |
06670751
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
石川 欽司 近畿大学, 医学部, 教授 (10088536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 章至 近畿大学, 医学部, 助手 (40268412)
木野 博文 近畿大学, 医学部, 助手 (10247976)
鎌田 勲昭 近畿大学, 医学部, 助手 (00214510)
小菓 裕成 近畿大学, 医学部, 講師 (50215208)
小川 巌 近畿大学, 医学部, 講師 (60204070)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / 心筋梗塞 / 副血行路 / 血管新生療法 |
Research Abstract |
線維芽細胞増殖因子(bFGF)が急性心筋梗塞の梗塞部への副血行路を増大させるか否かを明らかにする目的で、犬及びラット急性心筋梗塞を作成し、4週間飼育し、梗塞部への局所心筋血流量(Qm)を非放射性カラーマイクロスフェア-法により計測した。 1)犬実験 麻酔開胸犬18頭(placebo12頭、bFGF30μ左回旋枝注入6頭)の左前下行枝を結紮し、結紮前、結紮直後、3時間後、12時間後及び4週後に左心房に非放射性カラーマイクロスフェア-を注入し、Qm算定用とした。bFGF注入群では結紮直後、3時間後、12時間後、それぞれbFGF10μを左回旋枝内にbolus注入した。4週後、心臓を摘出し、梗塞部の心筋を心外膜側より厚さ約1mmずつにスライスし、各スライスに含まれる非放射性カラーマイクロスフェア-を顕微鏡により計測してQm算出に用いた。梗塞部のQmは心外膜側に近いスライスで正常以上に増加していたが、bFGF注入群でより増加しているとは考えられなかった。 次いでbFGF300μを左前下行枝結紮部内へ結紮直後より12時間かけて持続注入する方法を用いて、その副血行路への影響を検察中である。 2)ラット実験 左冠動脈結紮ラット18匹(生食群13匹、bFGF10μ静注群5匹)を4週間飼育し、結紮前、結紮直後及び4週後に非放射性カラーマイクロスフェア-を注入して梗塞部Qm測定用とした。bFGF10μは頚静脈より24時間かけて静注した。4週後の梗塞部Qmは生食群13.9±9.5%(%of non-ischemic)に対し、bFGF群29.5±4.7%と有意にQmが増加し、血管新生増強作用が認められた。次いでbFGFを梗塞部心筋内注入、心筋表面散布群を作成中である。 本研究結果の一部は第78回日本循環器学会近畿地方会に発表し第59回日本循環器学会総会ファイア-サイドシンポジウムに発表予定である。
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