1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670754
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
笹栗 学 福岡大学, 医学部, 講師 (00178675)
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Research Abstract |
犬の心臓におけるキニン産生系酵素の同定に関して以下の研究実績を得た。 雑種犬の心臓を麻酔下で摘出し、直ちに心臓を生理食塩水で淮流させ血液を洗いだした後に結合組織,脂肪組織,血管組織等を剥離した。心臓を0.1%Tiroton X-100を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)でホモジネートを作製しその上清をゲル濾過にて分画した。各々の分画にウシ低分子キニノーゲンを加えキニン分解阻害薬(EDTA30mM、フェナンスロリン3mM)存在下で約1時間インキュベーション後、産生されたキニン量を我々の方法を用いてラジオイムノアッセイで測定した。キニン産生分画を更にアプロチニン等の阻害薬存在の有無で検討した結果、アプロチニン感受性で7,29ng bradykinin/60min/mg protein程度のキニン産生能を有する分画とアプロチニン非感受性で33.3ng bradykinin/60min/mg protein 程度のキニン産生能を有する分画が得られた。前者は組織カリクレインと類似していた。 さらに組織カリクレイン様酵素精製するために、心臓のホモジネート上清をイオン交換クロマトグラフィーにて分画後、キニン産生分画をまとめてアプロチニン・アフィニティクトマログラフィーで精製した。その結果、約680 ng bradykinin/60min/mg proteinと比較的高いキニン産生活性を得た。至適pHは8.5付近であり、アプロトチニン10^<-5>Mでキニン産生が抑制された。 以上の所見より組織カリクレインが犬の心臓に存在すると考えられた。アプロチニン非感受性キニン産生酵素については更なる検討が必要である
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