1994 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射および骨髄移植後リンパ球のアポトーシス誘導とサイトカインによる調節機
Project/Area Number |
06670776
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
関 秀俊 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (60171328)
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Keywords | アポトーシス / リンパ球亜群 / 放射線照射 / サイトカイン / p53 / bcl-2 |
Research Abstract |
ヒト末梢血リンパ球は胸腺細胞同様に放射線照射により容易にアポトーシスが誘導される。放射線感受性はリンパ球亜群により異なり、NK細胞が最も放射線感受性が高く、CD4陽性T細胞は比較的抵抗性がみられた。B細胞及びCD8陽性T細胞はその中間であった。放射線誘導性のアポトーシスは種々サイトカインにより抑制された。IL-2によりCD4及びCD8陽性T細胞とNK細胞が放射線抵抗性になった。さらに、IL-4ではT細胞とB細胞が、IL-7ではT細胞のみが有効であった。その他のサイトカインは殆ど無効であった。サイトカインによるアポトーシス抑制機序を明かにするため、アポトーシス抑制蛋白として重要であるbcl-2蛋白のサイトカインによる影響を抗bcl-2モノクロナール抗体を用いてフローサイトメトリーにて検討した。それぞれ有効であったサイトカインにより細胞内bcl-2はリンパ球亜群特異的に増加することを確認した。したがって少なくとも部分的にはbcl-2の増加がアポトーシス抑制に関連あると考えられた。 放射線によるアポトーシス誘導物質として注目されている癌抑制遺伝子産物であるp53蛋白は、放射線照射により抹消リンパ球にが誘導されることを明かにした。興味あることに、CD4及びCD8陽性TCRα/β細胞やB細胞では照射直後よりp53蛋白の誘導がウエスタンブロット法により確認できたが、TCR_γ/δ細胞およびNK細胞ではp53の誘導は全くみられない。さらにこれらのリンパ球亜群では蛋白合成阻害剤であるサイクロホスファマイド添加でもアポトーシスは抑制できず、他のリンパ球亜群とは異なるp53を介さないアポトーシス誘導系が示唆された。
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[Publications] Kazuyuki Iwai: "Differential expression of bcl-2 and susuceptibility to anti-Fos meeltated call cloath in periteral blood" Blood. 84. 1201-1208 (1994)
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[Publications] Hidetoshi Seki: "Ioniging rodvation iaduced apopfolic coll cleath in human TcR-Hart Tamd natural cell without" Eur.J.Jmmural detectable p53 protain.24. 2914-2917 (1994)
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[Publications] Hidetoshi Seki: "Differentinal protective achour of cupibiues on raddiation induced epopfosis of peripheral" Cell.Jmmural.lymphoute subpopulations.
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[Publications] 関 秀俊: "癌関連遺伝子によるアポトーシスの制御" Surgery Frontier. 2. 55-61 (1995)