1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内および血清中抗酸化生体防御機構の胎生期、小児での発達と疾患における意義
Project/Area Number |
06670779
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
朝山 光太郎 山梨医科大学, 医学部, 講師 (70129310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 貴弥 山梨医科大学, 医学部, 医員
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Keywords | フリーラジカル / 過酸化脂質 / グルタチオン・ペルオキシターゼ / 免疫組織化学染色 / 糖尿病 / スーパーオキシドジスムターゼ / 抗酸化物 / アスコルビン酸 |
Research Abstract |
ウシ脳ホモジネート脂質自動酸化能(AOA)を用いて、新生児期から老人に至るまでの血清中抗酸化能について検討し、AOAは新生児期から乳児期に増加して学童期にピークとなり、加齢に伴って低下した。AOAおよびラジカル消去能総括性(TRAP)は、インスリン依存型糖尿病患児とストレプトゾトシン糖尿病ラットの両方で、いずれも低下傾向になることか判明し、糖尿病合併症としての組織傷害に抗酸化の低下が関与する可能性が示唆される。細胞内GPXの酵素電顕法による検討を、ラット肝および肺胞上皮について行った。従来の報告では本酵素が細胞質のみに限局して存在するとされていたが、今回の検討で、ミトコンドリアに最も多く、細胞質内と同等量が核内にも分布し、他の細胞内小器官にも存在することが判明した。すなわちGPXは二つの細胞内SOD(CuZnSODおよびMnSOD)の両方に一つで対応する分布を示した。組織切片をFITC蛍光染色して、IBAS-2000による画像解析で定量化した。細胞内GPXと二つのSODの胎児ラット組織における発達を検討したが、在胎15日以降では日齢の進行とともに、いずれの酵素も段階的に増加し、相互に協調した生理的変動と考えられた。慢性腎不全ではAOAが低下していて、慢性臓器障害としての動脈硬化促進などに関与していることが示唆される知見が得られた。血清GPXは当初考えたより不安定で、純品はまだ得られていないが、現時点で比活性150単位/mg程度(純度50%程度)の産物が得られており、次年度にFPlCなどの導入によって完成することが期待できる。アスコルビン酸の測定はHPLCに電気化学的検出器を接続して測定が可能であるが、デヒドロアスコルビン酸との同時定量に課題が残されている。血清中TRAP活性の大きな部分を尿酸が占めており、抗酸化物質としての生理的役割とこの物質の一般的な臨床的評価との間に解離がみられる点が理論的問題点としてあげられるが、次年度の研究課題の一つである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Asayama koutaro: "purification and immuoeloctnoumicnoscopin localization of cellular glutathione peroxidase in rat hoprtocytes." Histochemistry. 102. 213-219 (1994)
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[Publications] Koutaro Asayama: "Serum antioxidant seatus in streptorofocin-induced diastic rat." Hormone and Metahlic Research. 26. 313-315 (1994)
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[Publications] Kazushige Dobashi: "Immohistochemical localization of cellalr glutathione porexitase in adaet nat tissues by use op vewly prepaned poly clsnal mtivodies." Yamanashi Medical Journal. 9. 69-79 (1994)
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[Publications] Autar K.Siugh: "Demonshation of glutathione peroxidase in rat liuer peroxisomes and its intra organellar distpihation." Arohu of Bischemistry of Biophyics. 315. 331-338 (1994)
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[Publications] 内田則彦: "ヒト血清抗酸化能の第4編新生児期・乳児期における検討。" 日本小児科学会雑誌. 98. 1995-1999 (1994)
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[Publications] 林辺英正: "高濃度グルコースによるヒト赤血球膜脂質過酸化反応促進の機構について" 糖尿病. 37. 171-176 (1994)