1995 Fiscal Year Annual Research Report
サイトメガロウイルスによる感染細胞及び白血球表面上の接着分子の発現に関する研究
Project/Area Number |
06670784
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 正寛 三重大学, 医学部, 助教授 (10126956)
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Keywords | サイトメガロウイルス / 接着分子 / 細胞傷害 |
Research Abstract |
1)Adhesion assayによるサイトメガロウイルス感染細胞に対する末梢血白血球の接着 96穴平底マイクロプレートにヒト胎児線維芽細胞を培養しサイトメガロウイルスウイルスを感染後、51Crでラベルした末梢血白血球をサイトメガロウイルス感染細胞と非感染細胞それぞれに37度1時間吸着後接着しなかた白血球を洗浄除去後、接着した白血球の割合を計算し%adhesionを算出する。また白血球をTリンパ球、Bリンパ球、単球、好中球に分離後それぞれの%adhesionを求めた。またTリンパ球の活性は抗CD3抗体により2日間培養した。その結果末梢血単核球はサイトメガロウイルス感染細胞に対して有意に接着が増加した。B細胞、単球は同様であったがTリンパ球、好中球はサイトメガロウイルス感染細胞、非感染細胞どちらにも接着しなかった。活性化Tリンパ球はサイトメガロウイルス感染細胞に対して有意に接着が認められた。 2)サイトメガロウイルス感染細胞に対する細胞傷害 サイトメガロウイルスウイルス感染細胞に対する接着した白血球の傷害を51Crの放出で検討した所、B細胞、単球は組織傷害を示さなかったが、活性化T細胞は有意にサイトメガロウイルス感染細胞に対して組織傷害を示した。 3)白血球のサイトメガロウイルス感染細胞に対する接着分子の関与 Adhesion assay、細胞傷害を接着分子に対する抗体でblockingを行ったところ、白血球の接着は抗CD18抗体により、活性化Tリンパ球による細胞傷害は抗CD11a,CD18,CD54でblockされた。 以上のことからサイトメガロウイルス感染細胞に対しては末梢血のB細胞、単球、活性化Tリンパ球が接着し、活性化T細胞のみが細胞傷害を有し、これには接着分子(CD11a,CD18,CD54)が関与していることが明らかになった。
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