1994 Fiscal Year Annual Research Report
急性及び慢性の右室圧上昇時の右冠動脉血流動態とその規定因子
Project/Area Number |
06670823
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
阿波 彰一 杏林大学, 医学部, 教授 (00010182)
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Keywords | 右冠動脉 / 血流動態 / 右心負荷 |
Research Abstract |
冠動脉の器質的病変なくしても冠不全がおこる事はBuckberg等により左冠動脉で実験的にも確認されたが、右冠動脉の右心負荷に対する適応の様相はいまだ明かとはいえない.小児では右心負荷疾患が多くこの点を明かにする事を試みた。リタイア・ビ-グル犬11頭を用いネンブタール麻酔,急性陽圧呼吸下に右冠動脈起始部血流をトランジフト・タイム型超音波血流計を直接装着し,肺動脉絞厄術による段階的右室圧上昇と、それと独立に右房ベーシングによる心拍数可変の條件下に右冠動脉血流の対応的変化を観察した。大動脉左閉流速,右室及び肺動脉圧も同時記録し,収縮期拡張期別の冠血流評価、状態のモニターに役立てた. 結果として次の事が確認された. (1)正常右室圧下では心拍数増加により右冠血流は増加したが,主として収縮期血流の増加によった. (2)段階的右室増加も右冠血流の増加をもたらすが,主として拡張期血流の増加によった. (3)どの右室圧レベルでも心拍数増加で更に右冠血流は増加するが、微調製的で右室圧上昇による拡張期寄与が右冠血流レベルの寄与要因としてより大きい。 従って急性実験条件下では特〓の右室圧上昇に対し右冠動脉はその血流増加反応としては、より左冠動脉的に適応する、或いはより左冠動脉的流れ方で適応するといえる。
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Research Products
(1 results)