1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670831
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Research Institution | Jikei University, School of Medicine |
Principal Investigator |
堀田 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50057080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 秀次 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20189393)
松島 宏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70190460)
前川 喜平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80056613)
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Keywords | 点頭てんかん / 副腎皮質刺激ホルモン放出因子 / モデル動物 |
Research Abstract |
研究目的:点頭てんかんは乳児期発症の最も悪性のてんかん発作である。この点頭てんかんは長い歴史的研究を持つにも関わらず、その潜因や治療としての副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)治療の作用機序は全く不明である。本研究では、これまでの成果から副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRH)の過剰発現に基づく脳の異常興奮が点頭てんかんの発症を引き起こすとの仮説を立て、これを証明すると同時に点頭てんかんモデルマウス作成を目指すことを目的とする。 結果:in vivoにおいて仮説を検証するためラット間脳原器の初代培養細胞を温度感受性変異SV40large-T抗原(tsA58)遺伝子を導入することよって不死化した未分化細胞株を樹立することを試みた。しかし遺伝子導入の効率が低く、また遺伝子導入前後でのトランスフェクタントの分化度の評価が困難であったため、in vitroでの未分化神経細胞系として、すでに我々の樹立した末梢神経系株HTLA230、ラット中枢神経系株B104株内にCRH cDNA発現ベクターを導入した。 得られたトランスフェクタントは種々のレベルでCRH mRNAを発現した。またトランスフェクタントのヌードマウス側腹部皮下への移植は、移植後約2週で腫瘍を形成し、この腫瘍におけるCRHは蛋白レベルにおいて過剰発現をきたしていることが確認された。今後は得られたトランスフェクタントをin vivoにおいてラットの脳内に移植したのち、脳および髄液中のCRHの発現上昇が見られるか否かを検討する。また、初代神経細胞系を用いて同様の実験を行うため、遺伝子導入効率を上げるべく、レトロウイルス発現系を作成し、実験を計画中である。
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[Publications] 堀田秀樹: "強直発作を頻発する例のポリソノグラフィ" 臨床脳波. 37. 132-134 (1995)
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[Publications] H. Matsushima: "Constitutive N-myc gene expression inhibits trkA mediated neuronal differentiation." Oncogene. 10. 1915-1925 (1995)