1995 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害における自閉性の段階づけ(rating)評価の研究
Project/Area Number |
06670834
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Research Institution | Toho University School of Medicine |
Principal Investigator |
諸岡 啓一 東邦大学, 医学部, 教授 (00095390)
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Keywords | 自閉症 / 段階付け / 評価 / チェックリスト / 診断基準 / 広汎性発達障害 |
Research Abstract |
DSM-III-Rによる診断基準をもとに昨年度作成しチェックリストを実際の症例に適用した. 1.対象は82名で,年齢は1歳10ヵ月から18歳4ヵ月までで(平均5歳7ヵ月),男児65名,女児17名である. 2.結果 1)精神発達指数の評価 精神発達は正常9名,境界9名,精神遅滞については軽度19名,中度34名,重度21名である.2)自閉性障害チェックリストの分析方法として,陽性のカテゴリー数により0〜3までの段階に分けた.診察ならびにチェックリストによる自閉性障害の程度はよく相関していた(p=0.0079,x^2検定).3)精神発達の程度により,診察ならびにチェックリストによる自閉性障害の程度の判定がどのように異なるかについてみた.チェックリストによる方法に比較して,診察による自閉性の診断では,精神遅滞が中-重度では自閉性の程度をより重度に判断していた(p=0.0039,x^2検定).4)自閉性障害の程度と精神遅滞ならびに運動障害の合併の有無について検討した.運動障害については脳性麻痺はみられず,全て歩行など粗大運動の軽微な障害のみであった.精神遅滞ならびに運動障害の有無については自閉性障害の程度と関係がなかった. 3.結論 チェックリストと診察による自閉性の程度を比較するとよく相関していたことから本チェックリストの妥当性が確認できた.診察による自閉性の診断では,精神遅滞が中-重度では自閉性の程度をより重度に診断していたので,チェックリストによる方が客観性があるといえる.自閉性の程度により,精神遅滞,運動発達障害の比率には変化がみられなかった.このことから自閉性障害(広汎性発達障害)と特定不能の広汎性発達障害には本質的な相違はなく,自閉性の程度には移行があると考えられた.当初の予測が確認されたといえる.
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