1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670861
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
段野 貴一郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00115883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 久嗣 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00162868)
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Keywords | 乾癬 / 紫外線 / 治療 / ビタミンD |
Research Abstract |
1 臨床研究(PUVAとビタミンD外用併用療法の治療効果と奏効機序) ソラレン紫外線照射(PUVA)と活性型ビタミンD軟膏外用併用療法(PUVA+VD)を尋常性乾癬10例に行ない、その治療効果を対称部位に施行したPUVAとステロイド外用併用療法(PUVA+ST)およびPUVAと白色ワセリン外用併用療法(PUVA+WP)のそれと比較検討したところ、PUVA+VD併用療法は、PUVA+STまたはPUVA+WP療法に比べて早期に皮疹の軽快をもたらすことが明らかになった。 PUVA+VD併用療法の作用機序を検討する目的で、組織学的および免疫組織学的研究を行なった。PUVA+VD療法はPUVA+STまたはPUVA+WP療法に比べて表皮肥厚の減少、錯角化の減少、顆粒層の出現、BrdU陽性細胞数の減少、浸潤T細胞数の減少、HLA-DR陽性細胞数の減少、細胞接着因子(ICAM-1、ELAM-1、LFA-1)の発現抑制をより顕著にもたらした。これらの成績から、PUVA+VD併用療法はPUVA+STまたはPUVAれWPに比べて表皮増殖、角化異常および免疫炎症反応をより顕著に抑制することによって優れた治療効果をもたらすものと考えられた。 2 動物実験(ビタミンD外用の紫外線照射に及ぼす影響) PUVA+VD併用療法の優れた治療成績は相加的な効果か相乗的な効果かを検討する目的で、VD外用がPUVA照射の抗増殖作用および免疫抑制作用に及ぼす影響を動物実験により検討している途中である。まず平成6年度はVD外用およびPUVA照射の各々が表皮増殖マーカーであるBrdU陽性細胞率および表皮ランゲルハンス細胞に及ぼす影響をみるための至適条件(投与条件や生検時期)の設定を行なった。平成7年度はVD外用によりPUVAの光毒性反応がどのような影響を受けるかを巨視的および組織学的に検討する予定である。また、他の乾癬治療法であるシクロスポリンAと紫外線併用療法のメカニズムについても動物実験において検討中である。
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