1995 Fiscal Year Annual Research Report
表皮ケラチノサイトにおけるcornifinの局在および皮膚疾患におけるその発現
Project/Area Number |
06670865
|
Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤本 亘 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50165429)
|
Keywords | ケラチノサイト / コ-ニフィン / SPRR / 表皮 / 口腔粘膜上皮 / 内毛根鞘 / 乾癬 |
Research Abstract |
1)イムノブロット SPRR1のC末端ペプチドを抗原としてあらたにポリクロナール抗cornifin α抗体(SPRR1B)を作成し、正常皮膚組織におけるcornifin αの発現をイムノブロット法で調べた。 その結果、1)この抗体は頭部、足底の正常表皮抽出液では14kDの蛋白を認識したが、体幹や四肢の正常表皮抽出液とは反応しなかった。この結果は、SPRR1の発現が毛嚢の内毛根鞘や手掌、足底などの表皮には認められ、体幹、四肢の表皮には認められないという免疫組織学の結果と一致していた。2)また口腔粘膜上皮では14kD,16kDおよび26kDの蛋白の発現が認められたことより、この抗体がcornifin α (SPRR1),cornifin β (SPRR3)両者と反対することがわかった。3)乾癬の病変部表皮では14kD蛋白(SPRR1)の発現が増強していた。4)verrucous carcinomaの組織では14kD,16kD,25kDのほかに14kD以下の蛋白も認識され、皮膚悪性腫瘍病変部ではSPRR1の発現増強のほかにいくつかのcornifin isoformの発現が亢進することがわかった。 2)ノーザンブロット cornifin αおよびcornifin β検出用のプローブ(SQ37,CL12)をもちいて各種人組織でのcornifin αおよびcornifin βmRNAの発現をしらべた。cornifin α mRNAは正常人皮膚、口腔粘膜上皮、乾癬病変部皮膚、ボ-エン病、verrucous carcinomaなどで発現を認めたが、cornifin β mRNAは口腔粘膜上皮、verrucous varcinomaに発現を認め、正常人皮膚、乾癬病変部などには発現を認めなかった。以上の結果、cornifin β mRNAは口腔粘膜上皮および口腔粘膜上皮類似の分化を示す上皮に特異的に発現することがわかった。なお、in situ hybridizationでは口腔粘膜上皮においてcornifin β mRNAを検出できなかった。
|