1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670869
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
小玉 肇 高知医科大学, 医学部, 教授 (00089905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 靖彦 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50238367)
大川 幸三 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80168872)
池田 光徳 高知医科大学, 医学部, 助手 (70212785)
|
Keywords | 黄色腫 / サイトカイン / 成長因子 / LDL / 酸化LDL / マクロファージ / 血管内皮細胞 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
実験1:ヒトLDLをウサギ黄色腫組織で処理して得た酸化LDL(OX-LDL)によるヒト単球由来マクロファージ、U-937(ヒト単球性白血病cell line)由来マクロファージおよびヒト血管内皮細胞(HUBEC)からのサイトカイン・成長因子産生誘導をEASIAにより測定した。Native LDLをnegative controlとし、positive controlとしてacetyl-LDLを用いた。結果:マクロファージによるIL-1β産生はいづれのLDLも抑制した。TNF-α産生に影響はなかったが、一定濃度までdose-dependentにIFN-γおよびGM-CSFの産生を増強した。HUBECのサイトカイン産生への直接の影響は認められなかった。考察:黄色腫発症における単球の病変部への浸潤および単球のマクロファージへの分化にはOX-LDLによってマクロファージから産生されるIFN-γやGM-CSFが関与すると考えられる。内皮細胞への単球の接着に関与する接着分子の発現には、OX-LDLによる直接の作用というよりは、マクロファージ由来のサイトカインが重要であるが、IL-1βやTNF-αの関与はないと考えられる。 実験2:ヒト培養線維芽細胞によるコラーゲン合成に対するacetyl-LDLおよびOX-LDLの影響を観察した。結果:LDL非存在下よりもOX-LDLあるいはacetyl-LDL存在下でコラーゲン合成は増強したが、native LDLとは相違を認めなかった。マクロファージをOX-LDLとインキュベーションしたconditioned mediumでも同様の結果であった。考察:黄色腫の形態は病変部でのコラーゲン合成能も一要因として決定される。今回の実験ではOX-LDLはコラーゲン合成を促進したが、native LDLでも同様の効果が認められたことは、native LDLが実験操作中に変性を受けた結果とも考えられる。Conditioned mediumでの効果が認められなかったことは、マクロファージ由来の成長分子の関与を否定するものであるが、OX-LDLの細胞障害性によるとも考えられ、この点については再検討を要する。
|