1995 Fiscal Year Annual Research Report
多形滲出性紅斑患者における単純ヘルペスウイルスの動態
Project/Area Number |
06670882
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
横井 清 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70182681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 昭仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10256365)
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Keywords | 多形滲出性紅斑 / 単純ヘルペス / タンジュンヘルペスウイルス(HSV) / HSVDNA / PCR / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、多形滲出性紅斑(erythema exudativum multiforme, EEM)皮疹部からの単純ヘルペスウイルス(HSV)DNAの検出,およびそれに先行する単純ヘルペスとの型別の判定,さらに末梢血単核球や咽頭からのHSVDANの検出・同定と定量により,EEM患者におけるHSVの動態を解明することにある. 昭和57年度より現在まで,我々の教室におけるPHEM患者は14例であり,その出現頻度は,多形紅斑患者136例中14例(10%),単純ヘルペス患者1387例中14例(1%)であった. 比較的若い成人女性に好発し,HSVは1型と2型のいずれでも発症した.単純ヘルペス出現後EEM出現までの期間は1〜2週間であった.皮疹部のHSV特異モノクローナル抗体を用いた蛍光抗体直接法,およびウイルス分離培養は陰性であった. 抗ウイルス剤の予防投与によりPHEMの発症は抑制可能であった. 増幅領域が92bpのプライマーを用いた場合のみ,単純ヘルペス治癒後の色素脱失斑でHSVDNAが検出された. 新たな3症例については,患者さん本人の承諾の上で,計画した検体を採取することができた.増幅領域が110bp(thymidine kinase gene)と144bp(Infected Cell Polypeptide 0)のプライマーを用いたPCRを行なったが,いずれのプライマーをでもHSVDNAは検出されなかった.現在まで,皮疹部からは92bpのプライマー以外でHSVDNAが検出されたことはなく,その特異性に疑問がもたれた.またHSVDNAがEEM皮疹部に存在するとしても,単純ヘルペス治癒部位よりDNA量は少ないと考えられた。 今後は,症例を蓄積するとともに,増幅されたHSVDNAのsequenceを解析する予定である.
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