1995 Fiscal Year Annual Research Report
NH_3心筋ポジトロンCTによる簡便な血流予備能定量法開発と臨床的に有用な虚血診断
Project/Area Number |
06670905
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大嶽 達 東京大学, 医学部(病), 講師 (80152164)
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Keywords | Nitrogen-13 ammonia / positron emission computed tomograpy / myocarclium / flow reserve / hypercholestemia / diabetes mellitus / dipyridamole |
Research Abstract |
今年度は、アンモニアPETの簡便定量法を用いて、高脂血症や糖尿病患者のジピリダモ-ル負荷時の血流予備能を測定した。高脂血症患者として、負荷心電図正常で狭心症のない家族性高脂血症患者20例を対象とした。年齢を合わせた対照例を比べ、家族性高脂血症患者では、明らかに血流予備能が低下していた。(2.6±0.3対1.6±0.4)男性に比べると、女性ではその傾向はあまり明らかではなく、女性ホルモンにより高脂血症による動脈硬化が抑制されている可能性も考えられた。いずれの症例でも局所的虚血の所見はみられなかったが、無症状の冠動脈狭窄も完全には否定しきれないので、冠動脈造影を施行した冠動脈症患を有す家族性高脂血症患者で、冠動脈非狭窄領域の血流予備能を10例で測定したが、やはり対照例より有意に血流予備能が低下した。したがって冠動脈狭窄以外の因子により家族性高脂血症患者において、ジピリダモ-ル負荷時の血流予備能が、低下する事が示された。これは新しい知見である。実際に最大冠血流予備能が低下するのか、逆にジピリダモ-ルに対する反応性のみが低下するのか不明であるが、その原因としてびまん性の動脈硬化により、有意冠動脈狭窄はなくても、内腹胞厚によりジピリダモ-ルに対する冠血管拡張能が低下する可能性や、血管壁が固くなり拡張しにくくなる可能性や微小循環の変化の可能性などが考えられる。これにより、びまん性動脈硬化を早期発見し、早期治療できる可能性ができたと考える。ただし、これらの患者で冠動脈狭窄のアンモニアPETによる診断能が低下する事は考えられる。糖尿病患者(10年以上保置)でも同様の傾向はみられ、年齢を合わせた対照例に比べ、血流予備能が有意に低下しており(2.1±0.3対1.7±0.5)男女差は明らかでなかったものの、高脂血症患者とほぼ同様の事が考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ikuo yokoyama: "Reduced coronary flow reserve in hypercholesteolemic patients without overt coronary stenosis" Circulation. 92(発表予定). (1996)
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[Publications] Ikuo Yokoyama: "Reduced coromnary flow reserve in patients with familial hypercholesterolemia" Journal of Nuclear Medicine. 36(発表予定). (1996)