局在性骨病変に伴う骨改築に及ぼす圧縮圧力の影響の半定量的X線画像解析法の開発

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06670913
• Research Institution: Shinshu University
• Principal Investigator: 青木 純 信州大学, 医学部(放射線医学), 講師 (80212364)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 唐木田 修 信州大学, 医学部附属病院(中央放射線部), 助手 (50233995) ; 滝沢 正臣 信州大学, 医学部(放射線医学), 助手 (40101159)
• Keywords: 画像診断 / 画像処理 / 骨腫瘍 / バイオメカニクス

Research Abstract

骨は力学的環境に適応して自らの形態を再構築する能力を有している.骨に加わる圧縮力を支えている腫瘍成分は骨基質であり,その力方向に対する各垂直断面の骨基質の重心点は連続し,その軌道(重心線)は加えられた圧縮力の方向に一致すると推測される.我々は骨の単純X線写真からフィルムデジタイザーを用いて骨基質の分布情報を取り出し,デジタル画面上で上記の重心線を描出した.また,局在性骨病変周囲での重心線の遍位を半定量的に評価し,骨病変の鑑別疾患を試みた.このシステムの充実をはかり、さらに我々のシステムと既存の画像保管システム(PACS)との連動を行い,その応用範囲をCR像やCT像にも広げることを現在試みている.
骨腫瘍約20例の臨床検討では,我々の解析方法の骨腫瘍の鑑別診断への応用に基本的に誤りのないことが確認された.即ち,悪性骨腫瘍においては重心線の偏位が大きく,また,重心線は腫瘍と反対側に偏位していた.これに対して,良性骨腫瘍では重心線の偏位が少なく,その方向もむしろ病変側に向いていた.
我々のシステムとの既存の画像保管システム(PACS)やCT,CR装置との連動は,このための設備備品(インターフェイス)の設置が終了し,現在されに臨床応用の範囲(間節疾患など)を広げている.また,PACS装置を介さずにCT画像のデジタル情報を直接我々の画像解析コンヒュータに取り込み処理する方法も検討しており,本システムをより一般化できる可能性がでてきた.

Research Products

• [Publications] 青木純,他2名: "局在性骨病変に伴う骨改築に及ぼす圧縮応力の影響の半定量的X線画像解析法の解析" INNERVISION. 10. 48- (1995)
• [Publications] 滝沢正臣,他10名: "ISDNとSmall Computerによる高精細Teleracliology System" 日医放会誌. 55. 65-69 (1995)