1995 Fiscal Year Annual Research Report
心筋症ハムスター(Bio 14.6)による心筋症の病態解明
Project/Area Number |
06670916
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹田 寛 三重大学, 医学部, 助教授 (70106988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 康之 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (50144241)
松村 要 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70126994)
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Keywords | 心筋症 / Gd‐^<14>C‐DTPA / オートラジオグラム / 心筋症ハムスター / Gd‐DTPA / ^<125>I‐MIBG |
Research Abstract |
1)心筋症ハムスターにGd‐^<14>C‐DTPAを投与し心筋のオートラジオグラムを作成し、Gd‐^<14>C‐DTPA異常集積部位における組織像を検討した。月齢3カ月、6カ月、10‐12カ月の心筋症ハムスター、それぞれ5匹ずつ用いて病理学的検討を行ったが、月齢が3カ月から6カ月さらに10‐12カ月と増すに従い、左室心筋は肥厚し重量も有意に増加し、組織学的には血管増生に富んだ肉芽組織や、間質の線維化が多くみられるようになった。各月齢のハムスターのうち1‐2匹にGd‐^<14>C‐DTPAを投与してオートラジオグラムを作成し、対応する病理組織像と比較検討したが、肉芽組織や線維化の部位にはGd‐^<14>C‐DTPAの集積の強い傾向が認められた。特に血管増生の著しい肉芽組織において集積が強いように思われた。 2)種々の月齢の心筋症ハムスターおよび対照群ハムスターにGd‐DTPAを投与し、5分後に心臓を摘出してT1強調MR像を撮像した。対照群に比し、月齢3カ月前後では左室心筋全体に強い濃染をみたが、6カ月前後になると異常濃染部と濃染されない部分との不均一性が顕著となった。さらに10‐12カ月となると左室心筋の濃染は全般に低下し不均一性も減少した。これらの結果を前述のオートラジオグラム所見と比較すると、月齢6カ月以降にみられる異常濃染部や不均一濃染像は、組織学的に肉芽組織や線維化の増生により招来されたものと推測される。 3)月齢6カ月以降の心筋症ハムスターにおいて、125I‐MIBG心筋集積の早期洗い出し亢進の強い傾向がみられた。 4)これらの実験結果は、人家族性心筋症における左室心筋MR像の経過と非常に良く一致し、人心筋症における病理組織像の経時的変化を、MR像や123J‐MIBG心筋シンチグラムより推測する上で有用と考えられた。
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