1996 Fiscal Year Annual Research Report
心筋症ハムスター(Bio14.6)による心筋症の病態解明
Project/Area Number |
06670916
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹田 寛 三重大学, 医学部, 助教授 (70106988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村嶋 秀市 三重大学, 医学部, 助手 (00263020)
山門 亨一郎 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (20263022)
松村 要 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70126994)
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Keywords | 心筋症ハムスター / ^1H-スペクトロスコピー / Gd-^<14>C-DTPA / オートラジオグラム |
Research Abstract |
1)正常ハムスター(FIB)6匹と、心筋症ハムスター(Bio 14.6)10匹の心筋を摘出して凍結乾燥し、0.3Mのperchloric acidの中ですりつぶして上清を採取し、270MHzの^1H-NMRスペクトロスコピー装置(JEOLGX-270)にて^1Hスペクトロスコピーを求めた。phosphocreatinineに対するtaurineの比は、正常ハムスターに較べ心筋症ハムスターで有意に高値を示した。またphosphocreatinineに対するcarnitineの比は、心筋症ハムスターのなかでも心不全期になると肥大期に較べ有意に低値を示した。これらの結果は心筋症ハムスターを用いて生化学的方法にて得られた従来の報告と一致した。心筋症ハムスターにおけるtaurineの高値は心筋肥大に関連し、不全期におけるcarnitineの低値は、心筋収縮能低下の一要因になっている可能性が示唆された。 2)心筋症ハムスターにGd-^<14>C-DTPAを投与して心筋のオートラジオグラムを作成し、Gd-^<14>C-DTPA集積の定量的評価を行い、心筋線維化との関連性について検討した。心筋の線維化を炎症細胞、コラーゲン線維、血管増生の程度などより三段階に分類した。得られたオートラジオグラムを画像解析装置に取り込み、線維化および非線維化組織のフィルム濃度を^<14>C standardと共に測定した。同一標本において線維化部に対する非線維化部のフィルム濃度比を求め、繊維化の程度と比較した。線維化組織ではGd-^<14>C-DTPAの有意の集積亢進を認め、血管増生や炎症細胞浸潤がみられ、コラーゲン線維の少ないほどGd-^<14>C-DTPAの集積が高いことが確かめられた。これらの結果は、Gd-^<14>C-DTPAの集積は心筋線維化の初期には亢進するが、時間の経過と伴に減少していくことを示唆するものと思われた。
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