1994 Fiscal Year Annual Research Report
放射光利用高速1次元ビームスキャンによる高画質単色X線撮影法
Project/Area Number |
06670934
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
西村 克之 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10129158)
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Keywords | 放射光 / スキャンニングスリットX線撮像法 / K吸収端差分 / CCDカメラ / II |
Research Abstract |
散乱線の影響を抑えて画質をよくするために従来考案された「スキャンニングスリットX線撮像法」は、機械的なスキャン操作が行われるために動画像に向かないなど用途が限られるが、本研究ではこの方式を高速化する方法を検討した。1次元ビームとしては(a)X線管でスリット用いる方法、(b)放射光の挿入光源から放出される1次元的な照射野のX線を用いる方法がある。このような光源から2次元X線画像を検出する方法としては(a)1次元検出器をスキャンさせる方式、(b)2次元検出器の前方のスリット状にアクティブにしてこれをスキャンさせる方式が考えられる。上記方法の組み合わせを検討した結果、2次元検出器としてIIとビデオカメラを組み合わせたものが高速化に適しており、実用化にも近いことが示された。 2次元検出器前のスリット状シャッタースキャン機構としては(a)X線ビームを検出器前面で1次元的に開閉する方法、(b)IIの出力蛍光面のあとで光学的にシャッターを設ける方法、(c)CCDの電子シャッターをライン状に配置する方法などを検討した。特にCCD面上でライン状電子シャッターを動作させる場合は高速に2次元画像を取りこむことができ、しかも患者や検出器を平行移動する必要はない。 放射光利用K吸収端差分環状動脈造影の場合、これまで挿入光源から放出される1次元的な照射野の放射光は固定して用いられてきたが、放射光ビーム自体をスキャンできる可能性が示唆されている。K吸収端上下のエネルギーに相当する格子面を交互に帯状に配置した分光結晶を用い、一回のスキャンで高速にK吸収端上下1組のX線像が形成される仕組みを示した。この場合の結晶の配置と被写体との距離の関係を計算により求めた。その結果、結晶と被写体間の距離がK吸収端上下に対応する二つの結晶間の距離とK吸収端上下のエネルギー差に依存することを示し、実用に当たって妥当な距離の範囲にあることを示した。現在1336X1034の画素を持つCCDカメラにより画像取込を行うことが可能になり、模擬的な実験の準備段階である。
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Research Products
(1 results)