1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670959
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
佐藤 啓二 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80093417)
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Keywords | 抗精神病薬 / 中枢神経系 / 前早期遺伝子 / 免疫組織化学 / ラット / ニホンザル |
Research Abstract |
抗精神病薬の作用機序に関与するニューロン系を同定するために、定型的抗精神病薬(haloperidol)や非定型的抗精神病薬(clozapine)をラットやニホンザルに投与し、深麻酔下に灌流固定した後、大脳皮質、辺縁系、尾状核被殻などにおいて、Fosタンパクの局在を免疫組織化学的に証明した。これまでのデータをまとめると以下のごとくである。 1)定型的/非定型的抗精神病剤の投与により、ラット大脳辺縁系領域、つまり側坐核、外側中隔核、扁桃体中心核などにおいて、Fosタンパク陽性細胞が増加したことから、これら辺縁系領域は、薬剤の抗精神病作用に関与する重要な神経系であると考えられる。とりわけ、D2、D3 dopamine receptorが存在する側坐核は第一義的に重要であると考えられる。 2)一方、カレハ島、扁桃体などでは、陰性症状にも効果を示す非定型的抗精神病剤のクロザピンなどにおいてFosの誘導が顕著であったこと、また線状体で、クロザピン投与群においてFos誘導がほとんど観察されなかったことは、薬剤の中枢作用機序に違いがあることを物語っており、これらの領域は薬剤の陰性症状に対する効果、錐体外路症状といった副作用の発現と密接に関係しているのではないか考えている。 3)ニホンザルにおいても同様な実験を行なったが、ラットの場合とほぼ同様な結果が尾状核、被殻、側坐核、中隔領域において得られた。 今後、さらに抗精神病薬に反応するニューロンの生化学的、薬理学的特徴や神経線維連絡の詳細を光顕的・電顕的組織化学によって解析したいと考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 佐藤啓二: "ラット前脳における前早期遺伝子c-fos発現に対するhaloperidolとclozapineの影響-免疫組織化学的研究。" 脳と精神の医学. 5. 281-294 (1994)
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[Publications] Satoh,K.: "Distribution of nitric oxide synthase in the central nervous system of Macaca fuscatar,subcortical regions." Neuroscience. 66. 685-696 (1995)
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[Publications] Maeda,T.: "Dopaminergic innervation of primate cerebral cortex:an immunohistochemical study in the macaque monkey." Monogr.Neural Sci.Basel. 14. 147-159 (1994)
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[Publications] Ikemoto,K.: "Neurochemical heterogeneity of the primate nucleus accumbens." Exp.Brain Res.104. 177-190 (1995)
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[Publications] Arai,R.: "Ultrastructural localization of nitric oxide synthase immunoreactivity in the frontal cortex of the monkey." Biogenic Amines. 11. 409-415 (1995)
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[Publications] 成田実: "緊張型精神分裂病の機能的画像解析<特集-精神科領域の画像診断>。" こころの臨床. 14. 115-119 (1995)
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[Publications] 佐藤啓二: "線条体<神経科学の基礎と臨床II>" ブレーン出版, 126 (1995)