1994 Fiscal Year Annual Research Report
APOC-ll遺伝子と晩期発症型アルツハイマー病との相関研究
Project/Area Number |
06670986
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
野々村 安啓 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70228344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 博 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30140148)
堺 俊明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20084874)
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Keywords | アルツハイマー病 / APOC-ll遺伝子 / イントロン / 多型 |
Research Abstract |
我々は本学及び関連施設において痴呆性疾患を調査し、個々において面接を行い、NINCDS-ADRDAのアルツハイマー病の基準を満たしているものを今回の研究対象とした。これらの対象者本人あるいは家族に対して、研究の内容及び目的を説明し同意を得た。同意を得られた患者より採血を行いフェノール法によりDNAを抽出した。我々は現在までにアルツハイマー病患者70名、健常者100名のDNAの抽出を完了している。そのうち晩期発症型33例、健常者92名について、特異的プライマーを用いてAPOC-ll遺伝子の第3イントロンをPCR法により増幅した。得られたPCR生成物をアガロースゲルで電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色しバンドの同定を行った。第3イントロンには多型が存在し、375bp(1),335bp(2)の2本のバンドが同定できる。我々は患者群と健常者群の遺伝子型、遺伝子頻度をそれぞれ算出した。その結果、遺伝子型については、患者群では、1-1が0名、1-2が20名(60.6%)、2-2が13名(39.4%)、健常者群では、1-1が0名、1-2が33名(35.9%)、2-2が59名(64.1%)であった。また遺伝子頻度については、患者群では、1が0.303、2が0.697、健常者群では、1が0.179、2が0.821であった。アルツハイマー病群では現在のところ1-2の遺伝子型、1の遺伝子頻度が有意に高いという結果である。すなわちAPOC-ll遺伝子と晩期発症型アルツハイマー病との間に相関が認められた。これらの結果については第9回日本老年精神医学会、第19回国際神経精神薬理学会に発表した。
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