1994 Fiscal Year Annual Research Report
P300と海馬ニューロン発火との関連-ラットを用いた事象関連電位発生源の研究-
Project/Area Number |
06670989
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Research Institution | Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
榛葉 俊一 財団法人東京都精神医学総合研究所, 神経生理部門, 副参事研究員 (80175398)
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Keywords | 事象関連電位 / P300 / ラット / 海馬 / 神経発火 / 深部脳波 |
Research Abstract |
Fisher系雄ラットが二音弁別oddball課題を遂行中に、脳表面における脳波記録及び海馬内ニューロン発火と海馬内深部脳波記録を行った。 脳表面ではP30,N50、P80、N130、P300が出現することがみいだされ、ラットにおいても人と類似した事象関連電位が記録できることがわかった。その内、P300は課題遂行中に振幅が増加し、人におけるP300に相当することが示された。 ガラス電極を用い海馬ニューロンの記録を行った結果、その一部はP300出現に関連して発火することが認められた。現在、発火の潜時及び頻度を解析し、海馬の関連に関して検討を加えている。 深部脳波記録では、海馬内においてP300成分の振幅増加が観察され、P300発現における海馬の関与が示唆された。刺激強度の変化は海馬内のP300成分に著明な影響を与えないことより、この事象関連電位は内因性の成分であることが考えられた。 以上のごとく、P300成分の形成における海馬の活動変化の役割を示唆する予備的な知見を得ている。現在、ラットを追加し、データを増やすとともに、その解析も進めている。
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