1995 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病および合併症におけるサイトカイン発現異常とサイトカイン制御による治療
Project/Area Number |
06670997
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 譲 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (60125565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 義憲 東北大学, 医学部, 助手 (50241633)
増田 高行 東北大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00113910)
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Keywords | TNF_α / TNF_β / NODマウス / KK-Ayマウス / IDDM / NIDDM / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
糖尿病とその合併症の成因や病態におけるサイトカインの役割をヒトとモデル動物で総合的に解明した。 (1) IDDMとサイトカイン; TNFβ投与によるNODマウスIDDM発症の完全抑制とその機構の解析:TNFβ投与NODマウスでは、自然発症糖尿病もシクロホスファミド誘発糖尿病もβ細胞障害性リンパ球移入による糖尿病も発症しない。TNFβが宿主またはβ細胞自身に抵抗性を与えた可能性をin vitroおよびin vivoで解析した。In vitroのTNFβ前処置によってNODマウスβ細胞株のMIN細胞がβ細胞障害性リンパ球に抵抗性になることはなかった。TNFβ前投与によってNOD-Scidマウスが糖尿病発症NODマウス脾リンパ球による糖尿病の移入に抵抗性になることはなかった。TNFβ投与による免疫担当細胞自身の変化の方が重要であることが示唆された。 (2)インスリン抵抗性と血中TNF_α濃度の相関:糖尿病患者では2次的に血中TNF_α濃度が上昇することが分かったので、非糖尿病者を対象に血中TNF_αを高感度ELISAで測定し、インスリン抵抗性症候群の徴候と比較した。血中TNF_αは空腹時血中インスリン濃度、中性脂肪、BMIなどと有意に相関した。すなわち、血中TNF_αとインスリン抵抗性の関連が示唆された。 (3) TNF_α産生抑制剤によるインスリン抵抗性の改善:TNF_αは肥満型NIDDMにおけるインスリン抵抗性のメディエーターとして注目されている。抗TNF_α抗体、N-アセチルシステインなどの投与はKK-Ayマウスの耐糖能を有意に改善させた。TNF_α産生抑制剤のインスリン感受性改善作用が示唆された。 (4) TNF_α産生抑制剤による糖尿病性神経障害の治療: TNF_αやフリーラジカルの産生抑制が糖尿病性神経障害の進展を抑制することをSTZ糖尿病ラットで示してきた。TNF_α抑制作用のあるペントキシフィリンにも同様の作用のあることが分かった。さらに、SU剤のグリクラジドにもTNF_α産生抑制と糖尿病性神経障害進展抑制作用のあることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K, Takahashi: "Analysis of mechanism of action of lymphotoxin of prevention of cyclophospnamide-induced diabetes in NOD mice" Journal of Autoimmunity. 8. 335-346 (1995)
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[Publications] K, Takahashi: "Reduced expression of c-Fos in female NOD mouse thymocytes and up-regulation with human lymphotoxin" Cellular Immunology. 164. 287-294 (1995)
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[Publications] J, Satoh: "Prevention of autoimmune diabetes in the animal models with TNFα and TNFβ" Diabetes 1994. 210-214 (1995)
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[Publications] M, Sagara: "Inhibition with N-acetylcysteine of development of peripheral neuropathy in streptozotocin-induced diabetic rats" Diabetologia. (in press). (1996)
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[Publications] X.P. Zhu: "Improvement of glucose toferance with immunomodulators in Type 2 diabetic animals" Biotherapy. (in press). (1996)