1994 Fiscal Year Annual Research Report
食後レムナント代謝異常におけるコレステリルエステル転送蛋白の役割
Project/Area Number |
06671013
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小泉 順二 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (20161846)
|
Keywords | レムナント / 家族性複合型高脂血症 / 糖尿病 / 高インスリン血症 / コレステリルエステル転送蛋白 |
Research Abstract |
家族性複合型高脂血症(FCHL)と糖尿病患者での食後レムナント代謝を検討するために、FCHLと糖尿病との関係を家族調査により検討した。高脂血症で入院した49例で家族採決を行なった。家族対象者の35%の家族採決により、49例中31例(63%)で家族性高脂血症の診断が可能であった。そのうち14例(29%)がFCHLであった。冠動脈硬化症例では7例(30%)がFCHLと診断され、高脂血症を合併するNIDDMの50%がFCHLであった。FCHLでインスリン反応と血清脂質との関連を検討した。LDL-CはΣIRIとr=0.345の、apoAIはFIRIとr=0.345の相関傾向(p<0.1)を認め、apoBはΣIRIとr=0.448の有意な正相関を示した(p<0.05)。以上より、FCHLで認められる高apoB血症と高インスリン血症との関連が示唆された。コレステリルエステル転送蛋白(CETP)遺伝子のスプライシングドナーサイトのG-A点変異をpolymerase chain reaction(PCR)を使用して新しい制限酵素切断部位を作成する方法(PCR-PFLP法)で検討した。さらに、最近、エクソン15のミスセンス変異が明かにされた。このミスセンス変異は従来のスプライシングドナーサイトの変異より高頻度に認められ、一般人での頻度はエクソン15のミスセンス変異は7%で、従来のスプライシングドナーサイト変異は2%であった。従って、少なくとも日本人ではCETP遺伝子異常の頻度が高く、レムナント代謝の検討に際しては、CETP遺伝子の検討が必須であると考えられた。今後、FCHLと糖尿病の動脈硬化へのレムナント代謝の影響を考えるために、インスリン、CETP遺伝子異常の影響を考慮しなければならない。
|
Research Products
(1 results)