1995 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内甲状腺ホルモン輸送蛋白質cDNAのクローニングとホルモン作用修飾の試み
Project/Area Number |
06671015
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
市川 和夫 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (40159835)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 細胞内甲状腺ホルモン輸送 / n酪酸 / 細胞周期 / 核甲状腺ホルモン受容体 / 細胞増殖 / サイトカイン / Sick euthyroid syndrome |
Research Abstract |
1)培養ラット肝癌細胞を用いてtriiodothyronine(T_3)が細胞周期のG1期を短縮する事により細胞増殖を促進した。またT_3の細胞核への輸送及び核T_3受容体数はG1後期に増加し、G1後期にT_3感受性増加を認めた。Thyroxine(T_4)の核への移行は細胞周期を通じて変化せず、T_3とT_4で核への輸送機構の違いを認めた。この違いについては、細胞をn酪酸で処理した後のT_3及びT_4の核への輸送の増加反応の違いを認める事からも確認された。 2)SK&F L-94901(SKF)は肝においてのみ甲状腺ホルモン作用を示し、心臓や脳下垂体においては活性を示さない為、肝以外の臓器における副作用なしに血清脂質低下作用を示し得る薬物の可能性がある。今回SKFが肝選択性を示すのは、核受容体の段階ではなく、核への輸送の段階において臓器選択性を示す事を証明した。この結果は核へのホルモン輸送の段階に臓器特異性が存在する事を示す。 3)Sick enthyroid syndrome(SES)においてサイトカイン(IL-1β,IL-6,TNFα)の増加が病因的役割を果たす事が報告されている。これらサイトカインがT_4の核への移行を促進する事を見出した。この事実はSESいおいて血中T_3が低値を示すのにもかかわらずTSHが抑制されている事を説明する。またサイトカインが甲状腺ホルモン作用を修飾する事が明らかである。 4)アフリカツメガエル卵母細胞に培養ラット脳下垂体腫瘍細胞のmRNAを注入する事により、卵母細胞へのT_3摂取が増加した。またこのT_3摂取は温度依存性で、過剰量の非標識T_3にて抑制され、キャリアーを介した摂取であった。この結果は細胞内のT_3キャリアーをコードするmRNAが存在する事を示唆する。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takashi Yamada: "Age related therapentic response to antithyroid drug in patients with hyperthyroid Graves′ disease" J Am Geriatr Soc. 42. 513-516 (1994)
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[Publications] Teiji Takeda: "Response of hepatic proteins to 3,5,3′-triiodo-L-thyronine in diabetic rats." J Endocrinol. 143. 55-63 (1994)
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[Publications] Kazuo Ichikawa: "Thyroid hormone action in the cell" Endocrine Journal. 42. 131-140 (1995)
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[Publications] Takeshi Nagasawa: "Differences in cellular transport of triiodothyronine and thyroxine cell cycle-dependent alteration of triiodothyronine uptake" J Endocrinol. 147. 479-485 (1995)
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[Publications] Akihiro Sakurai: "Transcriptional regulation of human thyroid hormone receptor β1 gene expression effect of human retinoid x receptor and identification of a transcriptional" Mol Cell Endocrinol. 110. 103-112 (1995)
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[Publications] Kazuo Ichikawa: "Mechanism of liver-selective thyromimetic activity" ENDOCRINOLOGY. (in press).
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[Publications] 市川和夫: "ホルモン・生理活性物質" 廣川書店, 9 (1995)
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[Publications] Kazuo Ichikawa: "Proceedings of Japanese Clinical Metabolism" Society of Japanese Clinical Metabolism, 3 (1995)