1994 Fiscal Year Annual Research Report
粥状動脈硬化における接着分子VCAM-1,ICAM-1の発現調節機構に関する研究
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06671022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久米 典昭 京都大学, 医学部, 助手 (20252455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 之彦 京都大学, 医学部, 助手 (70252434)
横出 正之 京都大学, 医学部, 講師 (20252447)
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Keywords | 粥状動脈硬化 / 血管内皮細胞 / 接着分子 / 増殖因子 / リゾフォスファチジルコリン / 酸化LDL / サイクリックAMP |
Research Abstract |
初期の粥状動脈硬化病変への単球・Tリンパ球の集簇機構の一つとして接着分子VCAM-1,ICAM-1の関与が示唆されている。また、さらに進行した病変では中膜平滑筋細胞の内膜への遊走、増殖がむられるが、この過程においては血管内皮細胞をはじめとする内膜に存在する細胞が産生する増殖因子の関与が考えられる。このような接着分子、増殖因子の発現を粥状動脈硬化の病変部位で誘導する刺激の一つとして、酸化LDL,beta-VLDLなどのリポ蛋白で著明な増加がみられるリン脂質リゾフォスファチヂルコリン(lyso-PC)のもつ生理活性が注目され、培養血管内皮細胞においてVCAM-1,ICAM-1などの接着分子に加えてPDGF A鎖・B鎖およびHB-EGFなどの血管平滑筋細胞に対する増殖因子の遺伝子発現を選択的に誘導することが示されている。本研究では、lyso-PCによる遺伝子発現誘導に関与する細胞内情報伝達および転写調節機構の解明を進めているが、本年度は培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いlyso-PCよるPDGF B鎖、ICAM-1の発現に対するforskolin,dibutyryl cyclic AMP(dbcAMP)の効果、あるいは蛋白合成阻害剤cycloheximide(CHX)の効果をNorthern blot analysisにて評価した。HUVECにて細胞内cAMPを増加させるforskolinおよびdbcAMPはlyso-PCによるPDGF B鎖およびICAM-1 mRNAの発現をいずれも抑制した。一方、PMA刺激に対する遺伝子発現に対しては、forskolin,dbcAMPいずれもPDGF B鎖の発現を抑制したもののICAM-1の発現には効果がなかった。CHXはlyso-PCによるPDGF B鎖mRNAの発現を抑制したがICAM-1 mRNAの発現は阻害せずむしろ著明に増加させた。 このようにLyso-PC刺激による遺伝子発現に関わる情報伝達経路は単一ではないが、細胞内cAMPの増加により抑制されるものであることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)