1994 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド合成酵素転写調節因子の基礎的及び臨床的検討
Project/Area Number |
06671037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柳瀬 敏彦 九州大学, 医学部, 助手 (30239818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸橋 憲一郎 九州大学, 医学部, 助手 (30183114)
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Keywords | Ad4BP / SF-1 / ステロイド合成 / 転写調節因子 / コーン症候群 |
Research Abstract |
ヒトAd4BP(SF-1)は、ステロイド産生臓器特異的転写調節因子であると同時に、そのノックアウトマウスの成績から副腎、性腺及び下垂体ゴナドトロピンの発生分化に必須の因子であることが明らかにされている。ヒトAd4BPの臨床的意義を検討する目的で、各種ヒト副腎腫瘍並びに正常副腎における発現を比較検討したが、Ad4BPはコーン症候群副腎腺腫におい相対的に高い発現を示した。同腺腫ではP450aldの高発現が知られており、CYP11B2遺伝子のプロモーター領域にはAd4配列が存在することから、その高発現にAb4BPが関与か示唆され、さらに検討の予定である。またヒトAd4BPcDNA及び遺伝子の単離を進めているが、両者とも、現在部分クローンを得ており、全構造の解明を目指して継続研究中である。また臨床的に先天性副腎低形式とゴナドトロピン単独欠損を合併する疾患が知られており、本病態がAd4BP(SF-1)ノックアウトマウスの臨床像と類似することから、Ad4BP欠損症である可能性を考えてきた。しかし極く最近、新しい核内転写遺伝子DAX-1が本症の主たる原因遺伝子であることが明らかにされ、本症患者3例についてDAX-1異常の有無について検討中である。
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[Publications] Sakai Y.et al: "Mechanism of abnormal production of adrenal androgens in patients with adrenocortical adenomas and carcinomas" J.Clin.Endocrinol.Metab.78. 36-40 (1994)
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[Publications] Sakai Y.et al: "No mutation in cytochrome P450scc in a patient with congenital lipoid adrenal hyperplasia" 79. 1198-1201 (1994)