1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラット甲状腺癌細胞株を用いた甲状腺癌治療の新しい試み
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06671051
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
飯高 誠 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10142407)
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Keywords | TSH受容体 / 甲状腺癌 |
Research Abstract |
1.TSH受容体(TSH-R)抗体の作製:(1)full lengthのrat TSH-R cDNAをvector(pGEX2T)に組込み、さらに大腸菌に組み込んでTSH-Rを発現させた。これを可溶化し、ゲル電気泳動にて分離を試みた。しかしながら、TSH-R-GST(glutathion S transferase)融合蛋白は、大腸菌内で不溶性のinclusion bodyを形成し、容易に可溶化せず、また大量には発現しなかった。現在別のvector(pSG5,pEF321FL etc)に組込んで、大腸菌またはcos 7 cell等に発現させ、抗体を作製することを検討している。可能であれば、monoclonal抗体を作製し、大量に抗体を得ることを検討中である。(2)家兎にて作製したTSH-Rの合成peptide抗体を用いた実験では、この抗血清はTSH-Rに反応し、細胞傷害性を有すことが判明した。しかし、抗血清のIgG分画より特異的抗体を大量に精製することが困難なため、直接抗体-抗癌剤ないし細菌毒素複合体を作るのは効率が悪いと思われた。そこで、抗rabbit IgGと抗癌剤ないし細菌毒素複合体を作り、peptide抗体を作用させた後に、この複合物を作用させることを検討中である。またmonoclonal抗体が作製できれば、直接抗癌剤との複合体を作製し、その効果を検討予定である。 2.antisense oligonucleotideによる増殖抑制:rat c-mycに対するantisense oligonucleotideを作製した。このantisense oligonucleotideは、in vitroにてFRTCの増殖を阻害した。sense oligonucleotideでは、増殖阻害を認めなかった。しかしながら、antisense oligonucleotideの増殖阻害は完全ではなく、一週間程度で増殖が回復してしまった。さらに、S-oligo等の修飾を加え効果延長を検討中である。
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