1995 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化性小型低密度リポ蛋白(sLDL)の生成機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
06671066
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Research Institution | NATIONAL CARDIOVASCULAR CENTER RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
池田 康行 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (90176107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 章 国立循環器病センター研究所, 名誉所員 (00028408)
高木 敦子 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (90179416)
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Keywords | 低比重リポ蛋白質 / 高トリグリセリド血症 / 肝性トリグリセリドリパーゼ / 脂質転送蛋白 / 動脈硬化症 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
【目的】血清脂質代謝異常の1つである低比重リポ蛋白(LDL)の量的増加のみならずLDLの質的変化(small dense LDL: sLDL)が高頻度に冠動脈疾患患者に認められることよりsLDLが動脈硬化症への危険因子として注目されている。特に,高トリグリセリド(TG)血症状態でsLDLが出現しやすいことは知られているが,sLDLの生成機構に関しは不明な点が多い。本研究は高TG血症状態での動脈硬化性sLDLの生成機構をin vivoおよびin vitroの両アプローチにより解明することを目的としている。平成6年度(初年度)はin vivoのアプローチによりLDL粒子サイズに影響を与える高TG血症の病因がリポ蛋白リパーゼ異常であることを明らかにし,sLDLの生成機構にTG-richHDL, 肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)酵素,脂質転送蛋白(LTP)酵素,LCAT酵素等の関与を示唆した。本年度(平成7年度)はin vivoで推定されたsLDLの生成機構をin vitroで確認することを試みた。【実績】VLDL→IDL→LDLへの異化代謝過程でIDL→LDLへの変換およびLDL粒子のTG水解は主としてHTGL酵素によって行われていることが明かとなった。更に,これらの代謝過程の正当性はHTGL酵素完全欠損症患者のリポ蛋白分析により,IDLおよびTG-richLDL粒子が異常蓄積することにより確証された。正常血清TG値(50mg/dlから150mg/dl)の対象者から得たLDL粒子のTGをHTGL酵素で水解しても,TGのLDL粒子に対する占有体積が小さいためにLDL粒子サイズはほとんど変化しなかった。ところが,LDL粒子を高TG-richリポ蛋白(VLDL)粒子,HDL粒子およびLTP酵素の存在下で反応すると、LDL粒子はTGを受け取り,コレステロールエステル(CE)を失い,TGの占有体積が大きなTG-rich/CE-poorLDLに変化することが判明した。このようなTG-rich/CE-poorLDLをHTGL酵素でTGを水解した場合,LDL粒子サイズの小型化が始めて証明された。
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[Publications] 高木敦子: "原発性高トリグリセライド血症(IV・V)型の病因解析(第3報)" 脂質生化学研究. 36. 378-381 (1994)
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[Publications] 池田康行: "リパーゼ測定法" 最新内科学大系 高脂血症・低脂血症. 9. 347-364 (1995)
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[Publications] 山本 章: "リポ蛋白リパーゼ欠損症" 最新内科学大系 高脂血症・低脂血症. 9. 33-48 (1995)
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[Publications] 堤 善多: "低リポ蛋白リパーゼ群でのアルコールによる内因性高トリグリセライド血症の発症-禁酒による正脂血化-" 日本消化器病学会誌. 92. 951-959 (1995)
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[Publications] 池田康行: "家族性高カイロマイクロン血症におけるリポ蛋白リパーゼ欠損症" 第24回日本医学会総会会誌. 3. 212-212 (1995)
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[Publications] 池田康行: "高トリグリセライド血症をどう考えるか(2)リポ蛋白リパーゼ" Progress in Medicine. 15. 2343-2357 (1995)
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[Publications] 高木敦子: "リポ蛋白リパーゼ(LDL)." 日本臨床. 53. 639-643 (1995)
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[Publications] A. Takagi: "Identification of two new alleles at lipoprotein lipase(LDL)-short tandem repeat(STR) locus results in seven polymorphic alleles in the Japanese population" Molecular and Cellular Probes. (in press).
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[Publications] 高木敦子: "LPL(lipopotein lipase)" 細胞工学別冊「動脈硬化+高脂血症研究ストラテジー」. (印刷中).