1994 Fiscal Year Annual Research Report
造血器腫瘍の染色体転座におけるゲノム刷り込みの解析
Project/Area Number |
06671100
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝長 万左男 長崎大学, 医学部, 教授 (40100854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
雨森 龍彦 長崎大学, 医学部, 講師 (80167965)
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Keywords | - |
Research Abstract |
マウスにおいてはじめて見いだされたゲノム刷り込み現象は、ヒトにおいても固形腫瘍の一部においてその存在が報告されている。白血病については最近オーストリアのHaasらによって慢性骨髄性白血病(CML)および成人急性リンパ性白血病(ALL)の一部においてその特異的染色体異常であるt(9;22)に関して、異常な9番染色体はもっぱら父方由来であり、22番染色体は母方由来であることが報告された(Nature 359:414,1992)。長崎大学では長年にわたって原爆放射線誘発白血病の研究を行ってきたが、CMLはその代表的病型でありt(9;22)を保有している。ゲノム刷り込みをこれらの疾患において明らかにすることは放射線による白血病誘発機構の理解につながる重要な課題である。平成6年度においては研究計画の第一段階としてCMLのt(9;22),および急性骨髄性白血病(AML)に多いt(8;21),t(15,17)などの安定型転座におけるゲノム刷り込みの検出法の確立を目指した。すなはちAg-I染色法による染色体多型の判定法の確立とその応用による父方、母方由来の判定を正常人親子3組について検討して、方法論を確立できた。現在この方法を染色体異常を有する例について応用しはじめたところである。また各病型について十分な数の親子のペア-を集積するため関連病院を含む白血病治療機関への研究協力を要請して鋭意症例集積を図っているところである。ゲノム刷り込みについての最終判定は少なくとも各病型とも5例以上、理想的には10例程度を必要とするためそのデータは次年度あるいは、最終年度に持ち越されると予想される。また染色体多型による判定法以外の方法、すなはちDNA多型による判定も同時に行うことが出来るようにDNAを抽出して保存することも開始した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Dale L.Preston: "Cancer Incidence in Atomic Bomb Survivors. Part III:Leukemia,Lymphoma and Multiple Myeloma, 1950-1987" RADIATION RESEARCH. 137. 68-97 (1994)
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[Publications] Y.Shimamoto: "Prophylaxis of Symptoms of Hyperhistaminemia after the Treatment of Acute Promyelocytic Leukemia with All-Trans Retioic Acid" Acta Haematologica. 92. 109-112 (1994)