1995 Fiscal Year Annual Research Report
フォン・ビルブラント因子に存在する血液型糖鎖の構造と機能に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06671118
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Research Institution | Institute for Comprehensive Medical Science, Fujita Health University |
Principal Investigator |
松井 太衛 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (90183946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千谷 晃一 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (60179942)
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Keywords | ABO血液型 / フォン・ビルブランド因子 / 第VIII因子濃縮製剤 / レクチン / プロテアーゼ |
Research Abstract |
1、特定の血液型を持ったvWFを調製するため、種々のレクチンを用いて血漿糖タンパク質上の血液型物質の検出と、市販の第VIII因子濃縮製剤からのvWFの分画を試みた。血液型認識レクチン群の中で、カタツムリ由来のHPAが、A型と特異的に反応し、抗A抗体と比較しても、良好な結果を与えたが、他の抗AレクチンであるDBA、LBA、SBAはvWF上のA型抗原を認識しなかった。O(H)型では、UEA-I、-IIにより認識されたが、B型抗原に関しては用いたレクチンでは認識されなかった。HPAレクチンカラムを用いて、A型vWFの分画を試みたところ、第VIII因子濃縮製剤中に含まれるvWFの約25%がカラムに吸着した。この画分にはA型vWFの約65%が含まれていた。この結果は、HPAカラムを用いて、A型抗原に富むxWFを分離することが可能であることを示す。また、微量のB型抗原も検出されたが、このB型抗原はAB型vWFに由来すると考えられ、AB型ではA型B型別々のvWFが存在するというより、同一vWF分子上に両抗原をヘテロに持つことが示唆された。 2、血液型とvWFのプロテアーゼ感受性の相関を探るため、まず種々のプロテアーゼに対するvWFの断片化パターンを調べた。vWFはカテプシンGやカルパインではほとんど変化しなかったが、パパインではほぼ完全に、トリプリンでは限定的な消化を受けた。生理的なカテプシンGやカルパインがほとんど効果がないのは、血流でのずり応力などの物理的な条件が重要なのかもしれない。今後、高ずり応力を含めたvWFのプロテアーゼ感受性と分解パターンを調べ、さらに血液型との相関を調べる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shima, M. et al.: "ABO blood group genotype and plasma von Willebrand factor in normal individuals." Vox Sang.68. 236-240 (1995)
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[Publications] Ozeki, Y. et al.: "Tissue fibronectin is an endogenous ligand for galactin-1." Glycobiol.5. 255-261 (1995)
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[Publications] Matsui, T. et al.: "Detection and isolation of Plasma glycoproteins carring ABO blood group antigens by lectins" Glycoconjugate J.12. 573 (1995)
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[Publications] Hamako, J. et al.: "Binding of human IgM from a rheumatoid factor to IgG of animal species." Comp. Biochem. Physiol.112B. 683-688 (1995)
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[Publications] 松井太衛: "von Willebrand因子の糖鎖の構造と機能" 日本血栓止血学会誌. 6. 421-432 (1995)
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[Publications] Matsui, T. & Titani, K.: "ABO(H)blood group expression on tne circulating glycoproteins. "Lectins in Medical Research" In Methods in Molecular Biology" Rhodes, J. M. and Milton, J. D. eds. Humana Press(in press), (1996)