1994 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体腎炎及び糖尿病性腎症における白血球浸潤のメカニズムの解明-腎組織への白血球浸潤における細胞接着分子の役割の解明と治療薬開発への応用-
Project/Area Number |
06671141
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
四方 賢一 岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 さえ子 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
久代 昌彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
槙野 博史 岡山大学, 医学部, 助教授 (50165685)
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Keywords | 糸球体腎炎 / 細胞接着分子 / セレクチン / スルファチド / 糖尿病性腎症 |
Research Abstract |
1)腎臓におけるL-selectin(LECAM-1)のリガンドの局在と病的状態における変化の検討 正常ラット腎組織ではL-selectin-IgGキメラ分子(LEC-IgG)は、遠位尿細管上皮細胞と反応し、糸球体、血管には反応しなかった。尿管結紮ラットの腎組織では、遠位尿細管に対するLEC-LgGの反応性は著明に低下し、間質の血管に強い反応が見られた。正常及び尿管結紮ラットの腎組織における抗スルファチド抗体による染色は、LEC-IgGによる染色とほぼ一致していた。抗siaryl LewisX抗体は、ラットの腎組織には反応しなかった。尿管結紮ラットの腎組織では、間質に著明な単核球の浸潤が認められた。 2)スルファチド、抗L-selectin抗体を用いた、腎組織への白血球浸潤に対する抑制効果の検討 尿管結紮ラットに抗L-selectin 抗体及びスルファチドを投与することにより、間質への単核球浸潤が有意に抑制された。 以上の結果から、腎臓におけるLECAM-1のリガンドの少なくともひとつはスルファチドであり、正常では遠位尿細管に存在すること、尿管結紮による尿細管障害にともなって間質の血管に移動し、単核球の浸潤に関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)