1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671153
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
長瀬 光昌 帝京大学, 医学部, 教授 (00010124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 克之 帝京大学, 医学部, 助手 (20256027)
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Keywords | メサンギウム細胞 / 活性酸素 / 糸球体 / 化学発光 / 抗Thy1腎炎 / マクロファージ |
Research Abstract |
糸球体固有細胞、中でもメサンギウム細胞にもマクロファージと同程度の活性酸素ROSの産生能があるとされている。今回ヒトIgA腎症のモデルである抗Thy1腎炎を用いて、抗Thy1抗体がメサンギウム細胞を標的として障害を与えた場合のROS産生状況を糸球体化学発光glomerular chemiluminescence (GCL)にてみ、併せて浸潤細胞、増殖細胞の動向をモノクローナル抗体を用いて糸球体内の細胞をABC法で染色し組織学的に検討した。 GCL活性はこうThy1抗体静注1時間後より高まり、1日目に最高となり、以後低下した。 組織像では腎炎惹起1日目に明らかなmesangiolysisが認められ、4日目にはメサンギウム増殖性腎炎像が認められた。糸球体内に出現する全細胞数は増加して実験4日目に最高となり、一方メサンギウム領域の細胞数はmesangiolysisに一致して1日目には減少した後、4日目には増加した。その実験4日目では、増殖細胞を認識するPCNA陽性の細胞が最高となった。一方マクロファージを認識するED-1陽性細胞は1日目にピークを示し、糸球体メサンギウム領域に特に多く認められた。これはGCLが最高となり、mesangiolysisのある1日目に一致していた。一方好中球を認識するRK-4細胞は実験中ほとんど認められなかった。 馬杉腎炎では実験初期に高まるGCLは主に好中球により、後期に維持されるGCLの高まりは主にマクロファージによるとする成績を既に得ている。抗Thy-1腎炎は抗体がメサンギウム細胞を標的として障害を与える実験モデルで、今回の成績からmesangiolysisが認められる抗Thy-1腎炎1日目にはメサンギウム領域の細胞数は最小の時期ではあったが、ED-1陽性細胞数が最も増加していてGCLは著しく高まっていた。この成績は浸潤したマクロファージがROS産生に大きく係わっていた可能性が強く示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Gollner, D: "Strain variation in susceptibility to the development of monoclonal antibody 5-1-6-induced proteinuria in rats" Clin. Exp. Immunol.101. 341-345 (1995)
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[Publications] Chimata, Minoru: "Ca antagonist ameliorates glomerular injury via suppression of glomerular hypertrophy in apontaneously hypertensive rats." Nephrology. 1. 233-239 (1995)
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[Publications] Ito, Hiroo: "Immunohistochemical and biochemical detection of low densily lipoprotein receptors in cultureed rat mesangial cells" Nephron. 69. 305-310 (1995)
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[Publications] Ikegaya, Naoki: "Correlation between histologic features and glomerular permeability in membsanous nephropathy and immunoglobulin A nephropathy" J. Lab. Clin. Med.123. 94-101 (1994)
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[Publications] 日高寿美: "保存期腎不全患者の食事療法と薬物療法" Medical Pratlice. 12. 265-267 (1995)
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[Publications] 長瀬光昌: "最新内科学大系56 原発性糸球体疾患(急速進行性糸球体腎炎)" 中山書店, 18(31-48) (1995)