1995 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌術後のnon‐septic endotoxemiaの発生機序に関する研究
Project/Area Number |
06671181
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
四釜 俊夫 秋田大学, 医学部, 助手 (40196366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南谷 佳弘 秋田大学, 医学部, 講師 (30239321)
北村 道彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (10153131)
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Keywords | 食道癌術後 / エンドトキシン / 換気障害 / 肺循環障害 / 過酸化水素 / DCFH‐DA / 生体顕微鏡 / non‐septic endotoxemia |
Research Abstract |
食道癌術後のnon‐septic endotoxemiaは腸内細菌のtranslocationと手術侵襲による網内系機能の低下によって発生すると想定され、家兎に種々の濃度のエンドトキシンを投与し、血中からのエンドトキシンの消失や肝機能等を経時的に測定せんと試みた。しかし、家兎に対する採血量が過量となり動物は死亡し追究は困難であった。endotoxemiaに伴うショック病態は、組織灌流不全に伴う臓器障害(特に呼吸循環障害)であるとされ、過酸化水素(H_2O_2)の関与も近年頻回に報告されるようになってきた。食道癌術後は呼吸循環障害に陥ることが多く特に換気障害がしばしば認められエンドトキシンの関与も強く示唆されてきたが、これまで測定しえた食道癌術後のエンドトキシン値の上昇は認められなかった。このとから換気障害の本態は肺循環障害に伴うH_2O_2の産生であると仮定し、以下の実験を行った。H_2O_2の存在下で蛍光を発するDCFH‐DAと独自に開発した生体顕微鏡^<1)>を用い、肺動脈遮断時におけるH_2O_2の発生の有無を検討した。この結果、血流遮断中に肺微小循環にH_2O_2が産生され、気管支遮断ではH_2O_2の産生は認められなかった。このことから、食道癌術後の呼吸障害の一因として、術中の肺循環障害に基づくH_2O_2の産生が強く示唆されたものである。 1)南谷 佳弘:エンドトキシンによる肺微小循環障害に関する基礎的研究-多核白血球と血管内皮細胞相互反応について-1991 秋田医学 18:553‐570
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