1994 Fiscal Year Annual Research Report
MHC遺伝子欠損マウスをドナーとする異種移植免疫抑制法の研究
Project/Area Number |
06671184
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
落合 武徳 千葉大学, 医学部, 助教授 (80114255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
軍司 祥雄 千葉大学, 医学部, 助手 (60241957)
中島 一彰 千葉大学, 医学部, 助手 (20261919)
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Keywords | 異種移植 / 主要組織適合抗原 / CTL反応 |
Research Abstract |
異種移植では同種移植と異なり、血中に存在する自然抗体による拒絶反応が最初に出現する。我々は、この自然抗体の除去に関しては、目的とする異種抗原(臓器など)により除去可能であり、また、自然抗体産生をバックアップするB細胞系の抑制も薬剤等によるコントロールが可能であることを報告してきた。次に我々は、異種間の細胞性免疫反応にも注目して以下の研究を行った。 異種間細胞性障害反応:B10.BRで刺激されたミニブタPBLはB10.BRと同じclass Iを有するC3H、class IK^kのみを共有するB10.A(4R)、class ID^kのみを共有するC3H-KBRに対して細胞障害性反応を示したが、class IのK、Dいずれも異なるB10とC3H.SWに対しては細胞障害性反応を示さなかった。このように、xeno CTLでもallo CTLと同様にclass I killingが出現することが判明した。ラット→マウス皮膚移植:無処置群は9日で拒絶され、FK506 0.32mg/kg投与でも8日で拒絶されたが、FK506を3.2mg/kgに増量しday 0-13の期間投与すると、生着は30日と有意に延長し、T細胞性拒絶反応の関与が示唆された。マウス→ラット皮膚移植:FK506 3.2mg/kg単独投与により66.5日と長期生着を示した。B6(H-2^b)皮膚を生着しているWKAラットにB6・B10(H-2^b)・Balb/c(H-2^d)皮膚を再移植すると、免疫抑制剤の新たな投与なしでそれぞれ30日以上の生着が得られた。しかし、B6心は無処置群同様2日以内に拒絶され、いわゆる臓器特異的寛容が示唆された。 異種移植でも同種移植と同様にT細胞性反応が現れることがin vitroやFK506を用いたin vivoの実験から明らかになった。これまで、異種移植といえばもっぱら自然抗体・補体が中心であったが、我々の結果からもT細胞の関与、MHCの役割に関しての研究も必要となる。この観点に立ち、我々はMHC欠損マウスを用いた異種移植の準備を始めている。
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Research Products
(1 results)