1995 Fiscal Year Annual Research Report
MHC遺伝子欠損マウスをドナーとする異種移植免疫抑制法の研究
Project/Area Number |
06671184
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
落合 武徳 千葉大学, 医学部, 助教授 (80114255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
軍司 祥雄 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60241957)
中島 一彰 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20261919)
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Keywords | 異種移植 / ロイコトリエン |
Research Abstract |
我々は、異種移植後拒絶反応の機序に関して、自然抗体・補体による超急性拒絶反応、T細胞を介する細胞性拒絶反応に加えて、多核白血球の関与を報告してきた。最近、好中球の遊送・凝集・細胞接着等を引き起こすサイトカインであるロイコトリエンB4(LTB4)に対する拮抗剤が開発され、我々は、同種および異種移植モデルにLTB4拮抗剤を応用することにより、異種移植拒絶反応における好中球の役割を検討した。[実験方法]8〜10週齢の雄性WKAラット(RT1^k)をレシピエントに、Balb/cマウス(H‐2^d)をドナーに用いて、ドナーより採取したear skinをレシピエントの背部に全層皮膚移植とした。Tie‐overした包帯を5日目にはずし、連日移植片を観察して90%以上の壊死をもって拒絶とした。無処置群、LTB4拮抗剤(50mg/kg/day,day0〜13i.m.)投与群、FK506(0.32mg/kg/day,day0〜13i.m.)投与群、およびLTB4+FK506併用群を作成し、移植片の生着を観察した。[結果]マウスからラットへの皮膚移植では、無処置群の生着日数はMedian Survival Time(MST)8日(6〜10日)であり、LTB4拮抗剤の単独投与ではMST11.5日(9〜13日)であった。FK506を3.2mg/kg/day用いると、ラットに移植されたマウス移植皮膚はMST66.5日(34〜102日)と長期生着を示すが、FK506投与量を0.32mg/kg/dayに減量すると移植皮膚は9.5日で拒絶され、生着延長効果は観察されなかった。そこで、Suboptimal doseのFK506 0.32mg/kg/dayにLTB4拮抗剤を併用することによる生着効果を検討すると、MST14.5日(12〜23日)で最長は23日生着し、FK506とLTB4拮抗剤併用による異種移植片に対する生着延長効果が観察された。[結語]マウス・ラット間異種皮膚移植モデルにおいて、Suboptimal doseのFK506とLTB4拮抗剤との併用効果が観察された。このことから、異種移植拒絶反応における好中球の関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)