1994 Fiscal Year Annual Research Report
MNMSにおける組織因子活性化と全身に及ぼす影響についての研究
Project/Area Number |
06671195
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
金子 寛 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10204562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂谷 貴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70238020)
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Keywords | 組織因子 / MNMS |
Research Abstract |
ラット10匹において麻酔下に開腹し、腹部大動脈、下大静脈とともに腹壁もペアンで把持し、6時間の血行遮断を行なった。その後遮断を解除し、虚血再灌流前後の下大静脈から採血した。現在検体をあつめているところであり、まだ組織因子活性は測定していない。 臨床的には腹部大動脈瘤および胸部大動脈瘤の手術前後における全身血中組織因子活性を測定した。手術当日に手術前の採血を行ない、第1、3、5、7、14病日に採血を行なった。組織因子活性の測定はELISA法で行なった。腹部大動脈瘤は4例で、全例にYグラフト置換術を行ない、胸部大動脈瘤は2例で1例に瘤切除パッチ閉鎖術を、他の1例に人工血管置換術を行なった。全例術後の重篤な合併症はなく、順調に経過した。これらの症例の組織因子活性の測定結果は、手術前4.20±1.17pg、第1病日4.37±0.98pg、第3病日3.91±1.11pg、第5病日3.80±1.33pg、第7病日4.40±0.38pg、第14病日3.66±0.45pgであった。組織因子活性の変化は第1病日に術前よりやや高く、第3・5病日には低下し、第7病日には再び上昇し、第14病日には第7病日に比し有意差をもって低下した。症例によりバラツキがあり、術直後には有意差はなかった。対象症例の大動脈遮断時間が1時間以内と短く、術中術後経過が良好であったため、有意な変化に至らなかったのかもしれない。今後症例を増やすとともに、急性動脈閉塞症で血栓塞栓除去術前後の組織因子活性を検索する予定である。
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