1996 Fiscal Year Annual Research Report
MNMSにおける組織因子活性化と全身に及ぼす影響についての研究
Project/Area Number |
06671195
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
金子 寛 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10204562)
|
Keywords | 虚血再灌流障害 / MNMS / 組織因子 |
Research Abstract |
(1)大動脈瘤手術における大動脈遮断前後の血中組織因子の変動 大動脈瘤の手術において大動脈の遮断前と遮断解除後における全身血中組織因子濃度を測定し、臨床モデルにおける変化をみた。大動脈瘤6例を対象とし、手術当日に手術前の採血を行ない、第1、3、5、7、14病日に採血を行なった。組織因子の変化は第1病日に術前よりやや高く、第3・5病日には低下し、第7病日には再び上昇し、第14病日には第7病日に比し有意差をもって低下した。 (2)広範型急性動脈閉塞症におけるMNMSと他臓器障害 急性動脈閉塞症のなかで一側下肢の大腿以上に虚血が及ぶ広範型は、Myonephropathicmetabolic syndrome(MNMS)の合併が多く死亡率が高い。当科で経験した21例について検討した。広範型で生存したのは、発症後12時間以内に血行再建できた例や、虚血が大腿以下で急性期を乗り切り手術ができた例であった。これらの例でもMNMSに陥ったが腎障害のみの単臓器障害に留っていた。死亡例では血行再建が発症後12時間以降と遅れ重篤なMNMSに陥り腎障害に加え心、肺、血液の障害を伴った例が多かった。 (3)小腸虚血再灌流と肺障害 腸管の虚血再灌流時の遠隔臓器障害として肺の障害について観察した。モデルはラットの小腸の虚血再灌流モデルを使用した。上腸間膜動脈を30分遮断しその後再開通させて肺重量の変化を観察した。再灌流後は肺重量/体重比が有意に上昇した。
|