1994 Fiscal Year Annual Research Report
Fibrinogenを用いた局所免疫療法の抗腫瘍機構の解明と、臨床への応用
Project/Area Number |
06671204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 力 大阪大学, 医学部, 助手 (80236471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅下 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (60252649)
門田 卓士 大阪大学, 医学部, 助手 (20174477)
小林 哲郎 大阪大学, 医学部, 助手 (40162002)
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Keywords | 局所免疫療法 / fibrinogen / U-PA / OK-432 / 乳癌 / 大腸癌 / 微小環境 |
Research Abstract |
1、大腸癌、胃癌、甲状腺癌、乳癌を対象とし、OK-432とfibrinogenおよびmφの混合局注を術前に施行し、手術時に腫瘍組織、リンパ節を採取した。 免疫組織学的検索:fibrinogen、mφ、OK-432に対する染色に加え、plasminogen activator、PAI-1などの凝固線溶系因子の染色をおこなった。 FACSのよる細胞表面抗原の解析:腫瘍浸潤リンパ球、リンパ節リンパ球、末梢血リンパ球を分離し、ICAM-1、LFA-1、TCR、HLA-DR、CD25、LeuM3、CD45RA ROなどについて測定した。 細胞傷害活性の測定:上記リンパ球の細胞傷害活性を測定した。K562、DAUDIに加えて、各種癌のライン、自己腫瘍をTargetとして測定した。 OK-432とfibrinogenの混合局注局所免疫療法の癌の種類による効果の差異を解析するために、plasminogen activator(U-PA)の抗原量を測定した。 局注療法の効果(腫瘍壊死効果)の高い大腸癌においては、効果の乏しい乳癌に比し、U-PA濃度が高いことが判明した。またOK-432とfibrinogenの混合局注により、局所のU-PA濃度が上昇し、fibrin meshが形成されやすくなることが明らかとなった。mφを混合すると、一段とU-PAが上昇することがわかった。U-PAの上昇がfibrin meshの形成を助け、それにより炎症細胞、免疫担当細胞の浸潤を促進し、抗腫瘍効果をきたすと思われる。 一般に癌の悪性度、浸潤度の指標といわれるU-PAが、逆に生体防御機構として働いていることが示唆された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Takeda,T: "The effect of local immunotherapyfor breast cancer using a mixture of OK-432 and fibrinogen supplemented with activated macrophages." Biotherapy. 7. 47-54 (1994)
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[Publications] Takeda,T: "Local immunotherapy for breast cancer using a mixture of OK-432 and fibrinogen." European J of Cancer. 30. (1994)
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[Publications] 武田 力: "FibrinogenをDDS担体としたOK-432腫瘍内局注療法-各種固定癌に対する効果の比較検討-" Biotherapy. 8(3). 299-300 (1994)
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[Publications] 勝本善弘: "局所免疫療法を施行した甲状腺TILからのCytotoxic CD4^+Tcellの誘導" Biotherapy. 8(5). 643-645 (1994)
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[Publications] 武田 力: "活性化マクロファージを付加したOK-432/fibrinogenによる乳癌局所免疫療法の効果" 増感通信. 14. 4-94 (1994)
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[Publications] 門田卓士: "消化器癌にたいするサイトカイン療法の試み" 外科治療. 72(in press). (1995)
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[Publications] 武田 力: "乳癌に対するOK-432/fibrinogen局注療法におけるU-PAの検討" 乳癌の臨床. 10(1)(in press). (1995)
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[Publications] 武田 力: "乳癌に対するOK-432術前腫瘍内局注の所属リンパ節にたいする免疫能賦活効果" 乳癌の臨床. 10(2). (1995)
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[Publications] 武田 力: "Fibrinogenを用いた局所免疫療法のメカニズム-mφのはたらきとPlasminogen Activator(U-PA)の意義" Biotherapy. 9(in press). (1995)