1995 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の生検材料を用いたDNA診断とそれに基づいた腹腔鏡下手術と化学療法の選択
Project/Area Number |
06671207
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平林 直樹 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40221519)
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Keywords | 腹腔鏡下手術 / FISH |
Research Abstract |
平成7年度中に明らかになった事は以下の点に要約される。 1 胃良性組織、胃がん組織の生検組織に対して各染色体のセントロメア-に対するプローブを用いて分裂間期の染色体解析が可能であった。 胃正常組織および胃がん周囲組織では異常を認めなかったが、胃がん組織では、検討した第1、7、11、17番染色体においてmonoploidy、polyploidyを示す症例が有為に多かった。 2 胃smがん症例(リンパ節転移症例10例、転移陰性症例10例)に対して第17番染色体のセントロメア-およびp53に対するプローブを用いたdual color FISH法が可能であった。また、胃smがんにおいては、第17番染色体数には変化を認めないものの、p53の数は、減少しているものが多く認められた。さらに、第17番染色体数とp53の数との比較では、p53遺伝子の数が少ない症例(染色体欠失と定義)が多かった。 3 腫瘍組織内の欠失を示す細胞の割合とsm胃がんにおいて最も問題となるリンパ節転移との関係を検討すると、欠失細胞の割合が30%以下の症例ではリンパ節転移症例はなく、反対に50%以上の症例では全例にリンパ節転移を認めた。 以上の結果より今後はprospective studyが必要かと考えられた。
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